クラウドファンディングと補助金は併用できる?組み合わせ方を解説
「クラウドファンディングで資金を集めながら、補助金も申請していいの?」と迷う経営者・個人事業主は少なくありません。結論からいうと、クラウドファンディングと補助金の併用は原則として可能です。この記事では、2つの資金調達の違いと、相性のよい組み合わせ方、併用時に気をつけたいポイントをわかりやすく解説します。
結論:併用は原則OK。クラファンは「民間からの資金」だから
補助金には「同じ経費に複数の補助金を重ねて受け取ってはいけない」という大原則があります。しかしクラウドファンディングで集めるお金は、国や自治体の税金ではなく、支援者という民間から集める資金です。財源がまったく異なるため、補助金どうしの併用で問題になる「二重受給」には基本的に当たりません。
実際に、クラウドファンディングで初期の資金と応援者を集め、その後の設備投資や販路開拓に補助金を活用する、という組み合わせは広く行われています。ただし、制度によっては「他の資金調達との関係」を公募要領で定めている場合があるため、申請前の確認は必要です。
ポイント
本記事は一般的な解説です。併用の可否や条件は制度・公募回ごとに公募要領で定められており、変更されることもあります。最新の要件・募集状況は必ず各制度の公式サイトでご確認ください。
クラウドファンディングと補助金の違いを整理
併用を考える前に、まず2つの性質の違いを押さえておきましょう。違いが分かると、どう組み合わせると効果的かが見えてきます。
| 項目 | クラウドファンディング(購入型) | 補助金 |
|---|---|---|
| お金の出し手 | 一般の支援者(民間) | 国・自治体(財源は税金) |
| 返済 | 不要(代わりにリターンを提供) | 不要(ただし要件違反なら返還あり) |
| 入金のタイミング | プロジェクト成立後、比較的早い | 原則後払い(事業実施・実績報告のあと) |
| 審査 | プラットフォームの掲載審査。集まるかは支援者しだい | 事務局による審査があり、不採択もある |
| 使い道の自由度 | 比較的自由(掲載時の説明との整合は必要) | 対象経費が細かく決まっている |
大きな違いは「入金のタイミング」です。補助金は原則として後払いのため、事業にかかるお金はいったん自分で立て替える必要があります。一方、購入型のクラウドファンディングはプロジェクト成立後に資金を受け取れるため、手元資金を厚くしてから事業を始められます。この違いが、併用の相性のよさにつながります。
相性のよい組み合わせ方3パターン
- パターン1:クラファンで先に資金と応援者を集め、その後の展開に補助金を使う。クラウドファンディングの達成実績は「すでに顧客・応援者がいる」ことの裏付けになり、補助金の事業計画書に書ける具体的な材料になります。
- パターン2:経費を分けて同時に活用する。たとえば商品開発の初期費用はクラファンの支援金でまかない、その後のチラシ作成や展示会出展など販路開拓の経費は小規模事業者持続化補助金で申請する、という切り分け方です。
- パターン3:クラファンの実施費用そのものを補助する制度を使う。自治体によっては、クラウドファンディング事業者に支払う手数料などの一部を補助・助成する制度があります。
パターン3の例として、東京都は中小企業やスタートアップ向けに、クラウドファンディング(購入寄付型・株式型)を活用した資金調達を支援する事業を実施しており、取扱クラウドファンディング事業者に支払う手数料の一部を助成しています(2026年7月時点。年度ごとに内容が変わるため、最新は東京都産業労働局の公式サイトで確認してください)。また、東京都荒川区のように、区独自のクラウドファンディング活用支援補助金を設けている自治体もあります。自社の所在地の自治体に同様の制度がないか、一度調べてみる価値があります。
併用するときの注意点4つ
- 同じ経費の扱いに注意:クラファンの支援金と補助金は財源が異なるため二重受給には当たらないのが一般的ですが、補助金の対象経費として申請した費用の管理は明確に。どの経費を補助金の対象にしたのか、帳簿や見積書・領収書で区分できるようにしておきましょう。
- 購入型の支援金は税務上「売上」扱いが一般的:購入型クラウドファンディングは商品・サービスの先行販売にあたるため、集めたお金は原則として売上として課税対象になります。寄付型・投資型では扱いが変わるので、具体的な処理は税理士に確認しましょう。
- 補助金は後払い。資金繰り計画はセットで:クラファンで集めた資金があっても、補助金分の立て替えは必要です。入金までの資金繰りを事前に計画しておきましょう。
- 公募要領の確認を忘れずに:制度によっては、事業計画や経費の内容についてクラウドファンディングとの関係を確認される場合があります。「他の資金調達」「収入」に関する記載を公募要領でチェックし、迷ったら事務局に問い合わせるのが確実です。
どちらを先にやるべき?順番の考え方
決まった正解はありませんが、「クラファンが先」を選ぶ事業者が多い傾向があります。理由は2つです。1つ目は、クラウドファンディングの結果が市場の反応を測るテストになり、その実績を補助金の事業計画書に反映できること。2つ目は、先に手元資金を確保できるため、後払いの補助金を待つ間の資金繰りが楽になることです。
一方で、補助金の公募スケジュールは制度ごとに決まっています。ちょうどよい公募回が先に来るなら、補助金の申請を先に進めても問題ありません。大切なのは、事業全体の計画の中で「どのお金を・いつ・何に使うか」を整理してから動くことです。
自社で使える補助金を先に把握しておこう
クラウドファンディングとの組み合わせを考えるには、まず「自社がどの補助金・助成金の対象になり得るか」を知っておくことが出発点です。候補が見えていれば、クラファンで集める金額や経費の切り分けも計画しやすくなります。
補助金レーダーでは、会社の所在地・業種・経営課題などを登録すると、自社が対象になりやすい補助金・助成金をルールベースのスコアで一覧表示できます。気になる制度が見つかったら、無料相談から行政書士・社労士などの専門家の紹介につなげることも可能です。クラウドファンディングと補助金の役割分担のような設計こそ専門家の知見が活きる場面なので、候補の整理とあわせて活用してみてください。