人材育成・研修に使える助成金まとめ|中小企業向けに解説
従業員に研修を受けさせたいけれど、費用がネックになっている。そんな中小企業のための国の支援が「人材育成の助成金」です。研修費用だけでなく、研修中の賃金の一部まで助成される制度もあります。この記事では、2026年7月時点で使える主な制度と、申請でつまずきやすいポイントを整理します。
人材育成の助成金は「人材開発支援助成金」が中心
人材育成・研修に使える国の制度の中心は、厚生労働省の「人材開発支援助成金」です。従業員(雇用保険の被保険者)に仕事に関する知識や技能を身につけさせる訓練を行った会社に対して、訓練にかかった経費と、訓練期間中に支払った賃金の一部が助成されます。
「補助金」と違い、雇用関係の助成金は要件を満たして正しく申請すれば受給につながりやすいのが特徴です。ただし、訓練を始める前に計画届を出す必要があるなど、手順を守らないと対象外になる点には注意が必要です。
ポイント
本記事は一般的な解説です。助成率・上限額・要件は年度の途中でも見直されることがあります。最新の要件・募集状況は必ず厚生労働省など公式サイトでご確認ください。
人材開発支援助成金の主なコース
人材開発支援助成金には複数のコースがあります。ここでは中小企業がよく使う代表的な3つを紹介します。
1. 人材育成支援コース(基本の研修向け)
職務に関連した知識・技能を習得させるための研修(OFF-JT)や、OJT付きの訓練が対象となる、もっとも基本的なコースです。対象となる研修は原則10時間以上であることが必要です。経費の助成率は、中小企業では正社員等への訓練で45%(賃金の引き上げなどの要件を満たすと60%)、非正規の従業員への訓練ではさらに高い助成率が設定されています(2026年7月時点)。
2026年度からは、45歳以上の従業員を対象にOJTとOFF-JTを組み合わせて行う「中高年齢者実習型訓練」も新たに追加されました。ベテラン社員の学び直しにも使いやすくなっています。
2. 人への投資促進コース(デジタル人材・eラーニング向け)
デジタル人材・高度人材を育てる訓練や、サブスクリプション型のeラーニング(定額制訓練)、従業員が自発的に受ける訓練などが対象のコースです。定額制訓練の経費助成率は中小企業で60%(要件を満たすと加算あり)とされています(2026年7月時点)。集合研修を開きにくい小さな会社でも、オンライン学習で使いやすいのが特徴です。
3. 事業展開等リスキリング支援コース(新事業・DX向け)
新規事業の立ち上げやDX・GX(デジタル化・脱炭素化)に取り組む際に、新しい分野で必要となる知識・技能を学ばせる訓練が対象です。中小企業では経費の最大75%に加え、訓練期間中の賃金助成(1人1時間あたり960円)も受けられます(2026年7月時点)。このコースは2026年度(令和8年度)までの期間限定とされているため、検討中の会社は早めの準備がおすすめです。
| コース | 主な対象 | 経費助成率(中小企業) |
|---|---|---|
| 人材育成支援コース | 職務に関する研修全般(10時間以上) | 45%〜(対象者・要件により引き上げ) |
| 人への投資促進コース | デジタル人材育成・定額制eラーニングなど | 定額制訓練は60%(加算あり) |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 新事業・DXに伴う学び直し | 最大75%+賃金助成 |
※いずれも2026年7月時点の情報です。助成率や上限額は要件によって変わるため、最新は厚生労働省の公式サイトでご確認ください。
キャリアアップ助成金や自治体の制度も選択肢
人材育成と合わせて検討したいのが「キャリアアップ助成金」です。パート・アルバイトなど非正規の従業員を正社員に転換した場合などに助成される制度で、正社員化コースでは中小企業で1人あたり最大80万円(第2期の満額支給は重点支援対象者の場合)とされています(2026年7月時点)。研修で育てた従業員の登用とセットで使える場面があります。
また、国の制度とは別に、都道府県や市区町村が独自の研修助成を用意していることもあります。たとえば東京都では、東京しごと財団による「事業内スキルアップ助成金」が実施されています。自社の所在地の自治体サイトも一度確認してみましょう。
申請の流れと注意点
人材開発支援助成金は「研修を受けてから申請」ではなく、「計画を出してから研修」という順番が大原則です。おおまかな流れは次のとおりです。
- 研修の内容・日程・対象者を決め、訓練計画を作成する
- 訓練開始日の原則1か月前までに、労働局へ計画届を提出する
- 計画に沿って研修を実施し、出席状況や賃金の記録を残す
- 研修終了後、期限内に支給申請を行う
特に多い失敗は、計画届を出す前に研修を始めてしまうケースと、出席記録や賃金台帳などの証拠書類が不十分なケースです。また、助成金は後払いのため、研修費用はいったん自社で立て替える必要があります。資金繰りも含めて計画しておきましょう。
自社が使える助成金を手早く確認するには
人材育成の助成金は種類が多く、コースごとに要件や手続きが細かく分かれています。「うちの会社はどれが対象になりそうか」を一つずつ調べるのは大変です。
補助金レーダーなら、会社の所在地・業種・従業員数・経営課題を登録するだけで、自社が対象になりやすい補助金・助成金をルールベースのスコアで一覧確認できます。人材育成のような課題タグから探すこともでき、気になる制度が見つかったら、無料相談から行政書士・社労士などの専門家紹介まで進められます。まずは無料で、自社に合う制度をチェックしてみてください。