建設業が使える補助金・助成金まとめ【2026年版】
人手不足、資材価格の高騰、時間外労働の上限規制。建設業の経営環境は年々厳しくなっていますが、その分、国は建設業向けの支援制度を数多く用意しています。この記事では、建設業の中小企業・個人事業主が活用しやすい補助金・助成金を「人材向け」と「設備・IT向け」に分けて、2026年7月時点の情報をもとにわかりやすく紹介します。
なぜいま建設業で補助金・助成金が注目されるのか
建設業では2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、限られた人員と時間で工事を進める工夫が欠かせなくなりました。あわせて、職人の高齢化による人手不足や、資材費・人件費の上昇も経営を圧迫しています。
こうした課題に対応するため、国は「人を育てる・採用する」ための助成金と、「機械やITで生産性を上げる」ための補助金の両面から建設業を支援しています。返済不要のお金で人材育成や設備投資ができるため、うまく使えば資金繰りの負担を抑えながら会社の体質を強くできます。
ポイント
本記事は一般的な解説です。補助金・助成金の金額・要件・募集状況は変更されることがあります。申請を検討する際は、必ず厚生労働省・中小企業庁など各制度の公式サイトで最新情報をご確認ください。
人材の育成・採用に使える建設業向け助成金
まず押さえたいのが、厚生労働省が実施する雇用関係の助成金です。建設業には専用のコースが用意されているものが多く、要件を満たせば比較的活用しやすいのが特徴です。
人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)
中小建設事業主が、雇用する建設労働者に有給で技能実習(労働安全衛生法にもとづく特別教育や技能講習など)を受けさせた場合に、実習にかかった経費や実習期間中の賃金の一部が助成される制度です。玉掛けや足場の組立てなど、現場で必要な資格取得の講習も対象になり得るため、建設業ではもっとも身近な助成金のひとつです。対象訓練や助成額は年度ごとに見直されることがあるため、最新の内容は厚生労働省の公式サイトで確認しましょう。
人材確保等支援助成金(建設分野のコース)
若年者や女性が働きやすい魅力ある職場づくりに取り組む建設事業主を支援するコースや、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用を促進するコースなど、建設分野向けのコースが設けられています。たとえば「若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース」では、中小建設事業主が対象経費の一部(2026年7月時点で経費の3/5。建設労働者の賃金を引き上げるなど一定の要件を満たす場合は上乗せ助成あり)の助成を受けられるとされています。
トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)
35歳未満の若者や女性を試行的に雇い入れる建設事業主向けの、一般のトライアルコースに上乗せされる助成です。2026年7月時点で、対象者1人につき月額最大4万円が最長3か月支給されるとされています(就労日数により減額あり)。未経験者の採用を考えている工務店・建設会社に向いています。
業務改善助成金
事業場内でもっとも低い賃金(事業場内最低賃金)を引き上げ、あわせて生産性向上のための設備投資などを行った中小企業を支援する制度です。建設業も対象で、2026年度は引き上げ額に応じて50円・70円・90円のコースが設けられ、助成上限は最大600万円とされています(2026年7月時点)。賃上げと機械導入をセットで考えている会社に適しています。
設備投資・IT化に使える補助金
次に、重機・工作機械の導入や、施工管理システムなどのIT化に使える、経済産業省・中小企業庁系の補助金です。業種を問わない制度ですが、建設業の活用事例も多くあります。
ものづくり補助金(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金)
革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの省力化のための設備投資を支援する、国の代表的な補助金です。2026年度からは新事業進出補助金と統合され「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として実施されており、統合後の第1回公募は2026年9月30日締切と公表されています(2026年7月時点)。建設業では、新工法への挑戦や加工設備の導入などでの活用が考えられます。
中小企業省力化投資補助金
人手不足に対応するため、省力化・自動化につながる設備やシステムの導入を支援する補助金です。カタログに載った製品から選ぶ「カタログ注文型」と、自社の課題に合わせて設備・システムを導入する「一般型」があり、一般型は2026年7月時点で補助率1/2(中小企業。小規模企業者・再生事業者は2/3)、補助上限は従業員規模に応じて設定され、大幅な賃上げを行う場合の上限引き上げ特例を使うと最大1億円とされています。建設業では、ICT建機や測量システム、現場情報をリアルタイムに共有する仕組みなど、現場の省力化につながる設備・システムでの活用が考えられます。対象製品・対象事業の詳細は公式サイトで確認しましょう。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
会計ソフトや施工管理システム、CADなどのITツール導入費用を支援する補助金です。2026年度から旧IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」に再編されました。建設業では資本金3億円以下または従業員300人以下の企業が対象で、申請枠に応じて最大450万円の補助が受けられるとされています(2026年7月時点)。年に複数回の締切があるため、公式サイトでスケジュールを確認しましょう。
建設業向け補助金・助成金の一覧表
ここまで紹介した制度を一覧にまとめます。いずれも2026年7月時点の情報で、詳細な要件・金額は各公式サイトでの確認が必要です。
| 制度名 | 主な使いみち | 所管 |
|---|---|---|
| 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース) | 技能講習・特別教育など資格取得の経費と賃金の一部助成 | 厚生労働省 |
| 人材確保等支援助成金(建設分野のコース) | 若年者・女性の採用定着、CCUS活用などの職場環境づくり | 厚生労働省 |
| トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース) | 35歳未満の若者・女性の試行雇用への上乗せ助成 | 厚生労働省 |
| 業務改善助成金 | 事業場内最低賃金の引き上げ+設備投資(上限最大600万円) | 厚生労働省 |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 新工法への挑戦、革新的なサービス開発、生産プロセス改善の設備投資 | 中小企業庁 |
| 中小企業省力化投資補助金 | 省力化・自動化のための設備・システム導入 | 中小企業庁 |
| デジタル化・AI導入補助金 | 施工管理システム・CAD・会計ソフトなどのIT導入(最大450万円) | 中小企業庁関連 |
申請前に知っておきたい注意点
補助金・助成金には共通する注意点があります。とくに初めて申請する場合は、次の点を押さえておきましょう。
- 補助金の多くは審査があり、申請すれば受け取れるとは限りません(採択・受給は保証されません)
- 原則として後払いです。設備の購入費などはいったん自社で立て替える必要があります
- 交付決定前に発注・契約したものは対象外になるのが原則です。順番を間違えないようにしましょう
- 国の補助金の電子申請には「GビズIDプライム」アカウントが必要なものが多く、取得に時間がかかるため早めの準備が必要です
- 雇用系の助成金は、労働保険料の納付や就業規則の整備など、日ごろの労務管理が要件になっていることが多くあります
自社が使える制度を手早く知りたいときは
ここで紹介した以外にも、都道府県や市区町村が独自に実施する建設業向けの支援制度があり、「結局うちはどれを使えるのか」を自力で調べ切るのは大変です。
補助金レーダーなら、所在地・業種・従業員数・経営課題などの会社情報を登録するだけで、自社が対象になりやすい補助金・助成金をルールベースのスコアで一覧表示できます。気になる制度が見つかったら、無料相談から行政書士・社会保険労務士などの専門家の紹介まで進めることも可能です。「調べる時間がない」という建設業の経営者の方こそ、まずは無料で自社の対象制度を確認してみてください。