【2026年最新】事業承継・M&A補助金とは?対象・金額・申請の流れを解説
「そろそろ会社を子どもや従業員に譲りたい」「後継者がいないのでM&Aを考えている」。そんなときに使えるのが、中小企業庁の「事業承継・M&A補助金」です。この記事では、どんな会社が対象になるのか、いくらもらえる可能性があるのか、申請はどう進めるのかを、補助金にくわしくない方にもわかるように解説します。
事業承継・M&A補助金とは
事業承継・M&A補助金は、中小企業庁が実施する「中小企業生産性革命推進事業」のひとつで、会社や事業の引き継ぎ(事業承継・M&A)にかかる費用の一部を国が補助する制度です。親から子への承継、従業員への承継、M&Aによる売却・買収など、幅広い「引き継ぎ」の場面で使えます。
対象になるのは中小企業・小規模事業者です。引き継ぎにあわせた設備投資の費用や、M&Aの仲介手数料・専門家への報酬、引き継いだ後の統合作業(PMI)の費用、廃業にかかる費用などが補助の対象になります。公募(申請の受付期間)は年に複数回あり、2026年6月〜7月には第15次公募の受付が行われています(2026年7月時点)。
ポイント
本記事は一般的な解説です。補助額・要件・スケジュールは公募回ごとに変わることがあります。最新の要件・募集状況は必ず公式サイト(事業承継・M&A補助金事務局)や中小企業庁の公募要領でご確認ください。
4つの申請枠と対象者
この補助金には4つの申請枠があり、「自社がどの立場で引き継ぎに関わるか」で使う枠が決まります。まずは自社がどれに当てはまるかを確認しましょう。
| 申請枠 | 対象になる人 | 補助されるもの |
|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 5年以内に親族内承継・従業員承継を予定している会社 | 承継にあわせた設備投資などの費用 |
| 専門家活用枠 | M&Aで事業を譲り受ける側・譲り渡す側の中小企業 | 仲介手数料やFA費用など、M&Aの専門家に払う費用 |
| PMI推進枠 | M&Aで経営資源を譲り受ける予定の中小企業 | 統合作業(PMI)の専門家費用や設備投資の費用 |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 承継・M&Aにあわせて既存事業を廃業し、新しい挑戦をする事業者 | 原状回復費など、廃業にかかる費用 |
廃業・再チャレンジ枠は、ほかの3つの枠と併用して申請できる仕組みになっています。たとえば「M&Aで事業を譲り渡しつつ、残った店舗は廃業する」といったケースで、専門家活用枠と組み合わせて使うことが考えられます。
補助金額・補助率の目安(2026年7月時点)
補助される金額と補助率(かかった費用のうち補助される割合)は、枠や類型、会社の規模などによって細かく変わります。第15次公募の時点では、補助率はおおむね3分の1〜3分の2の範囲で設定されています。代表的な上限額の例は次のとおりです。
| 枠・類型 | 補助上限額の例(2026年7月時点) |
|---|---|
| 専門家活用枠(買い手支援類型) | 600万円(デューデリジェンス費用の申請で800万円、一定の要件を満たすと最大2,000万円) |
| PMI推進枠(PMI専門家活用類型) | 150万円(補助率2分の1) |
| PMI推進枠(事業統合投資類型) | 800万円(賃上げを実施する場合は1,000万円) |
上の数字は第15次公募の情報にもとづく一例で、公募回によって見直されることがあります。自社のケースでいくらになるかは、必ず最新の公募要領で確認してください。
申請の流れ|5つのステップ
申請は紙ではなく、国の電子申請システム「Jグランツ」でのみ受け付けられています。大まかな流れは次のとおりです。
- ステップ1:GビズIDプライムのアカウントを取得する(発行に時間がかかるため早めに準備)
- ステップ2:公募要領を読み、自社が使う枠と要件を確認する
- ステップ3:事業計画などの申請書類を作成し、Jグランツで申請する
- ステップ4:採択・交付決定の通知を受けてから、補助対象の取り組み(契約・支払い)を進める
- ステップ5:実績報告を提出し、確定検査を経て補助金を受け取る
特に注意したいのが、補助金は「後払い」だという点です。先に自社で費用を支払い、実績報告のあとに補助金が振り込まれるのが基本の流れなので、手元の資金計画もあわせて考えておきましょう。
申請前に知っておきたい注意点
- 審査があるため、申請すれば採択されるとは限りません。事業計画の内容が問われます。
- 原則として、交付決定より前に契約・支払いをした費用は補助の対象外になります。着手のタイミングに注意しましょう。
- 公募には締切があります。第15次公募の申請受付は2026年7月24日17時までの予定です(2026年7月時点。次回以降の公募は公式サイトで発表されます)。
- M&Aの相手探しそのものは補助金の役割ではありません。事業承継・引継ぎ支援センターなどの相談窓口とあわせて活用するのがおすすめです。
自社が対象になるか、まず確認してみませんか
事業承継・M&A補助金は枠や類型が多く、「うちの場合はどれに当てはまるのか」「そもそも他にもっと合う制度があるのでは」と迷いやすい補助金です。承継のタイミングによっては、設備投資系の補助金など別の制度と比べて検討したほうがよいケースもあります。
補助金レーダーでは、会社の所在地・業種・経営課題などを登録すると、自社が対象になりやすい補助金・助成金をルールベースのスコアで一覧表示できます。まず候補を無料で確認し、気になる制度があれば無料相談から行政書士・社労士などの専門家の紹介まで進められます。事業承継を考え始めた段階での情報整理に、ぜひお役立てください。