持続化補助金とIT導入補助金の違いは?どっちを選ぶか徹底比較
「持続化補助金とIT導入補助金、うちはどっちを使えばいいの?」——中小企業や個人事業主の方から、とてもよくいただく質問です。2つの補助金は名前が似ていて混同されがちですが、実は「お金の使い道」がまったく違います。この記事では、2つの違いを4つの軸で整理し、自社に合った選び方を解説します。
結論:「何にお金を使うか」で選ぶのが基本
先に結論からお伝えします。2つの補助金は、補助してもらえる「経費の種類」が違います。ざっくり言うと次のとおりです。
- チラシ・ホームページ・店舗改装・展示会など「売上を伸ばすための販路開拓」に使いたい → 持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)
- 会計ソフト・予約システム・POSレジなど「ITツールの導入」に使いたい → IT導入補助金(2026年度からは「デジタル化・AI導入補助金」)
つまり「どっちが得か」ではなく「自社がやりたいことはどちらの制度の目的に合うか」で選ぶのが正解です。まずはこの前提を押さえたうえで、それぞれの制度を詳しく見ていきましょう。
なお、IT導入補助金は2026年度(令和7年度補正予算事業)から「デジタル化・AI導入補助金」という名前に変わりました。この記事では、なじみのある「IT導入補助金」という呼び方も併記しながら解説します。
2つの補助金を4つの軸で比較
対象者・金額・使い道・申請方法の4つの軸で、2つの補助金を比べてみましょう。金額などは2026年7月時点の情報です。
| 比較軸 | 持続化補助金 | デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) |
|---|---|---|
| 対象者 | 小規模事業者(商業・サービス業は従業員5人以下、製造業その他は20人以下が目安) | 中小企業・小規模事業者(従業員数の上限は持続化補助金より広い) |
| 主な使い道 | チラシ・広告、ホームページ、店舗改装、展示会出展など販路開拓の経費 | 会計・受発注・予約・POSなどのソフトウェア、クラウドサービス等のITツール導入費 |
| 補助上限の目安 | 一般型・通常枠は50万円。特例(インボイス・賃金引上げ)を満たすと最大250万円 | 1者あたり最大450万円(申請枠により異なる) |
| 補助率の目安 | 2/3(賃金引上げ特例を使う赤字事業者は3/4) | 通常枠は1/2(最低賃金近傍の事業者は2/3)。インボイス枠など一部の枠では小規模事業者は最大4/5 |
| 申請の特徴 | 商工会議所・商工会の支援(様式4の発行)を受けて電子申請。GビズIDプライムが必要 | IT導入支援事業者(ベンダー)と一緒に、登録済みのITツールを選んで申請 |
ポイント
本記事は一般的な解説です。補助上限・補助率・締切などは公募回や申請枠によって変わります。最新の要件・募集状況は必ず各制度の公式サイト(中小企業庁・各事務局)でご確認ください。
持続化補助金が向いているのはこんな方
小規模事業者持続化補助金は、その名のとおり「小規模事業者」だけが使える補助金です。商業・サービス業なら従業員5人以下、製造業などなら20人以下が目安で、個人事業主も対象になります。
最大の特徴は、使い道の幅が広いことです。チラシやパンフレットの作成、ホームページやECサイトの開設、看板の設置、店舗の改装、展示会への出展など、「新しいお客さまを増やすための取り組み」に幅広く使えます。
- 従業員数が少ない小規模事業者・個人事業主の方
- チラシ・広告・ホームページなど、売上を増やす施策に投資したい方
- ITツールに限らず、店舗改装や展示会など幅広い経費を対象にしたい方
- 商工会議所・商工会に相談しながら進めたい方
注意点は、申請前に地域の商工会議所・商工会から「事業支援計画書(様式4)」を発行してもらう必要があることです。様式4の発行締切は申請締切より早く設定されるため、スケジュールには余裕を持ちましょう。2026年7月時点では、第20回公募の申請受付が2026年11月5日から12月15日まで、様式4の発行受付締切は12月4日と公表されています(最新のスケジュールは公式サイトでご確認ください)。
IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)が向いているのはこんな方
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、業務を効率化するITツールの導入費用を補助する制度です。会計ソフト、受発注システム、予約管理、POSレジ、勤怠管理など、事務局に登録されたITツールが対象になります。2026年度からは生成AIを活用したツールも対象として明確化され、AIの活用がこれまで以上に重視されています。
- 紙やエクセルでの管理をやめて、業務をデジタル化したい方
- 会計・予約・在庫管理などのソフトやクラウドサービスを導入したい方
- 持続化補助金の対象にならない規模(従業員6人以上のサービス業など)の中小企業
- 導入するツールが決まっていて、ベンダーのサポートを受けながら申請したい方
この補助金のユニークな点は、事業者が単独で申請するのではなく、「IT導入支援事業者」として登録されたベンダーと一緒に申請することです。対象となるツールも事務局に登録されたものに限られるため、「導入したいツールが補助対象か」を最初に確認するのが第一歩になります。2026年7月時点では通年で公募され、おおむね1〜2か月ごとに締切が設定されています。
迷ったときの判断ポイントと併用の考え方
ここまでの内容を踏まえて、迷ったときは次の順番で考えてみてください。
- ステップ1:自社は小規模事業者か? → 従業員数が多く対象外なら、持続化補助金は選べません
- ステップ2:お金を使いたいのは「販路開拓」か「ITツール」か? → 広告や改装なら持続化、ソフト導入ならIT導入が基本
- ステップ3:ホームページを作りたい場合は要注意 → 持続化補助金ではウェブサイト関連費の扱いに条件があり、公募回により変わります。公募要領で確認しましょう
- ステップ4:スケジュールが合うか? → 持続化補助金は年数回の締切、デジタル化・AI導入補助金は1〜2か月ごとの締切が目安です
なお、2つの補助金は「同じ経費」に対して重複して受け取ることはできませんが、経費や事業の内容が明確に分かれていれば、それぞれ別の取り組みで活用できる場合があります。たとえば「ITツールの導入はデジタル化・AI導入補助金、チラシや展示会は持続化補助金」といった整理です。ただし判断が難しいケースも多いため、併用を考える場合は事務局や専門家に確認することをおすすめします。
自社に合う補助金を手早く確認するには
「うちは持続化補助金の対象になる規模なのか」「他にも使える制度があるのでは」と感じた方は、まず自社が対象になりやすい制度を一覧で把握するところから始めるのが近道です。
補助金レーダーでは、会社の所在地・業種・従業員数・経営課題を登録すると、自社が対象になりやすい補助金・助成金をルールベースのスコアで一覧表示できます。持続化補助金とデジタル化・AI導入補助金のどちらが自社に合うかを比べる材料としても使えます。対象制度の確認は無料で、そのまま無料相談から行政書士・社労士などの専門家紹介まで進むこともできます。どちらを選ぶか迷ったら、まずは自社の条件で確認してみてください。