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リスキリング補助金まとめ|社員の学び直しに使える制度

「社員にデジタルスキルを学ばせたいが、研修費用が重い」——そんな中小企業を支援するのが、いわゆる「リスキリング補助金」と呼ばれる制度群です。この記事では、会社が使える代表的な制度と、個人(従業員)向けの制度をまとめて整理し、どれから検討すればよいかをわかりやすく解説します。

リスキリング補助金とは?「学び直し」を支援する制度の総称

「リスキリング補助金」という名前のひとつの制度があるわけではありません。リスキリング(学び直し)とは、DX(デジタル化)や新しい事業に対応するために、社員が新しい知識やスキルを身につけることです。国や自治体は、この学び直しにかかる研修費用や研修中の賃金の一部を支援するために、複数の助成金・補助金を用意しています。それらをまとめて「リスキリング補助金」と呼ぶことが多い、というのが実際のところです。

大きく分けると、「会社が申請するもの(社員に研修を受けさせる会社への助成)」と「個人が利用するもの(学び直して転職やキャリアアップを目指す本人への補助)」の2種類があります。まずは自社がどちらの立場かを整理すると、探しやすくなります。

だれが使うか代表的な制度実施機関
会社(全国)人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コースなど)厚生労働省
会社(東京都内)DXリスキリング助成金東京都(東京しごと財団)
個人(転職を目指す在職者)リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業経済産業省

会社向けの代表格:人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」

会社として社員にリスキリング研修を受けさせる場合、まず検討したいのが厚生労働省の「人材開発支援助成金」のうち「事業展開等リスキリング支援コース」です。新しい事業への進出や、DX・グリーン化(脱炭素)に対応するために社員へ訓練を行ったとき、研修の経費と、研修を受けている時間の賃金の一部が助成されます。窓口は各都道府県の労働局です。

2026年7月時点では、中小企業の場合、対象となる研修経費の最大75%の経費助成と、研修時間1人1時間あたり1,000円の賃金助成が受けられるとされています。また、このコースは2026年度(令和8年度)までの期間限定の予定とされています。助成率・上限額・実施期間は改定されることがあるため、最新は厚生労働省の公式サイトやパンフレットで必ず確認してください。

対象になるための基本的な条件のイメージは次のとおりです(詳細な要件は年度により見直されます)。

  • 雇用保険の適用事業所であること(対象となる社員は雇用保険の被保険者)
  • 新規事業の立ち上げやDX化など、事業展開等に関連した訓練であること
  • 研修を始める前に、訓練計画を作成して労働局に届け出ること
  • 出勤簿や賃金台帳など、労働関係の帳簿類が整備されていること

同じ人材開発支援助成金には、高度デジタル人材の育成などに使える「人への投資促進コース」もあります。こちらも2026年度(令和8年度)までの期間限定の予定とされているため、活用を考えている会社は早めの検討をおすすめします。

個人向け:経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」

従業員本人(個人)が使える国の支援としては、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」があります。これは、転職(雇用主の変更)を目指す在職者が、国の採択を受けた事業者のキャリア相談とリスキリング講座を利用できるしくみです。

2026年7月時点では、講座を修了すると受講費用の2分の1相当額(上限40万円)が補助され、さらに実際に転職して1年間継続して働いたことが確認できると、追加で受講費用の5分の1相当額(上限16万円)が補助されるとされています。あわせて最大で受講費用の70%(上限56万円)です。事業は令和8年度末までの予定とされています。対象講座や条件の最新情報は、公式サイト(careerup.reskilling.go.jp)で確認してください。

ポイント

注意:この事業は「転職を目指す個人」向けの制度です。会社が社員を今の職場で育てるための費用は対象になりません。会社として研修費用の支援を受けたい場合は、人材開発支援助成金などの会社向け制度を検討しましょう。

自治体の制度も要チェック:東京都「DXリスキリング助成金」など

国の制度に加えて、都道府県や市区町村が独自のリスキリング支援を行っている場合があります。代表例が東京都の「DXリスキリング助成金」(公益財団法人東京しごと財団が実施)です。都内の中小企業が社員にDX関連の研修を受けさせたとき、研修経費の一部が助成されます。2026年7月時点では、助成率は経費の最大4分の3とされていますが、対象研修の種類や上限額などの詳細は年度で変わるため、東京しごと財団の公式サイトで最新の募集要項を確認してください。

東京都以外でも、自治体によっては人材育成やデジタル人材の研修費用を補助する制度があります。「(自治体名)+人材育成 補助金」などで調べるか、商工会議所・よろず支援拠点などの相談窓口に聞いてみるのも近道です。

申請の流れと、よくあるつまずきポイント

会社向けの助成金(人材開発支援助成金など)は、おおまかに次の流れで進みます。

  • 1. 研修の計画を立てる(だれに・何を・いつ・どの講座で学ばせるか)
  • 2. 研修開始前に、訓練計画などの必要書類を労働局へ届け出る
  • 3. 計画どおりに研修を実施し、受講の記録や賃金の支払い記録を残す
  • 4. 研修終了後、期限内に支給申請を行う
  • 5. 審査を経て助成金が支給される

とくに多い失敗が「研修を始めてから制度を知り、事前の計画届を出していなかった」というケースです。原則として、研修開始前の手続きが必要です。また、助成金は要件を満たせば受給できる可能性が比較的高い制度ですが、書類の不備や手続きの遅れがあると支給されないことがあります。受給を保証するものではない点にも注意してください。

ポイント

本記事は一般的な解説です。助成率・上限額・対象要件・募集状況は変更されることがあります。申請前に必ず各制度の公式サイト(厚生労働省・経済産業省・東京しごと財団など)で最新情報をご確認ください。

自社が使えるリスキリング支援を確認するには

リスキリングに使える制度は、国・自治体あわせて複数あり、会社の所在地・業種・従業員数・取り組みたい内容によって「どれが使えるか」が変わります。ひとつずつ公式サイトを調べるのは大変なので、まずは候補を絞り込むところから始めるのがおすすめです。

「補助金レーダー」では、会社の所在地や業種、課題(人材育成・DXなど)を登録すると、自社が対象になりやすい補助金・助成金をルールベースのスコアリングで一覧表示できます。気になる制度が見つかったら、無料相談から行政書士・社会保険労務士などの専門家の紹介につなげることもできます。社員の学び直しを考え始めたタイミングで、まずはどんな制度が候補になるかを確認してみてください。

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よくある質問

「リスキリング補助金」という名前の制度があるのですか?

その名前のひとつの制度があるわけではありません。人材開発支援助成金(厚生労働省)や、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省)、東京都のDXリスキリング助成金など、学び直しを支援する複数の制度をまとめてそう呼ぶことが多いです。

研修をすでに始めてしまいましたが、あとから申請できますか?

人材開発支援助成金は、原則として研修開始前に訓練計画を労働局へ届け出る必要があります。開始後の申請は認められないのが基本のため、研修を計画した段階で早めに手続きを確認してください。

eラーニングやオンライン講座も対象になりますか?

制度やコースによっては、eラーニング・通信制の訓練も対象になる場合があります。ただし対象となる講座の条件(時間数や内容など)が細かく定められているため、受講を決める前に各制度の最新の要件を公式サイトで確認するか、専門家に相談することをおすすめします。

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