補助金の採択率を上げる方法|審査で差がつく7つのポイント
補助金は申請すれば全員がもらえるものではなく、審査で選ばれた事業者だけが採択されます。ただし、審査で見られるポイントはある程度決まっており、準備の仕方しだいで採択の可能性を高めることはできます。この記事では、補助金の採択率を上げるために押さえたい7つのポイントを、初めて申請する方にも分かるように解説します。
補助金の審査はどう行われる?まず仕組みを知ろう
補助金の多くは「審査あり・予算に限りあり」の競争型です。申請書類(主に事業計画書)を審査員が読み、あらかじめ公表された審査項目にもとづいて点数を付け、点数の高い順に採択されるのが基本的な流れです。
つまり、審査員は「書類に書いてあること」だけで判断します。どんなに良い事業でも、書類でうまく伝わらなければ点数は伸びません。逆にいえば、審査項目を理解して書類の質を高めることが、採択率を上げるいちばんの近道です。
ポイント
本記事は一般的な解説です。審査項目・加点項目・締切などは補助金ごと、公募回ごとに異なります。最新の要件・募集状況は必ず各制度の公式サイト・公募要領でご確認ください。
採択率を上げる7つのポイント
ポイント1:公募要領を読み込み、審査項目に沿って書く
公募要領には、対象者の条件・対象経費・審査の観点が書かれています。ここに書かれた審査項目が、そのまま「採点表」だと考えてください。事業計画書は自分の書きたい順ではなく、審査項目に一つずつ答える形で構成すると、審査員に伝わりやすくなります。
また、要件を満たしていない申請は、内容以前の問題で不採択(または受付不可)になります。対象者・対象経費・必要書類のチェックは最初に行いましょう。
ポイント2:課題→取り組み→効果を一直線につなげる
採択されやすい事業計画書に共通するのは、「現状の課題」「補助金を使った取り組み」「取り組みで得られる効果」が一本の線でつながっていることです。課題と関係ない設備を買う計画や、効果の説明が取り組みと結びつかない計画は、説得力を欠きます。
- 現状分析:自社の強み・弱み、顧客、競合、市場の変化を整理する
- 課題:現状分析から導かれる、解決すべきことを明確にする
- 取り組み:補助金で行う投資・施策が、その課題をどう解決するか説明する
- 効果:売上・生産性などがどう変わるかを示す
ポイント3:数字に根拠を持たせる
「売上が増える見込みです」だけでは評価されにくく、「客単価×客数」のような積み上げ計算や、自社の過去実績、業界の統計など、数字の根拠を添えることが大切です。希望的観測の大きな数字より、根拠のある現実的な数字のほうが信頼されます。
ポイント4:実現可能性を具体的に示す
審査では「本当に実行できるのか」も見られます。誰が担当するのか、どんなスケジュールで進めるのか、社内に足りないノウハウは外部の協力で補えるのか。体制と段取りを具体的に書くと、計画の実現可能性がぐっと伝わりやすくなります。
ポイント5:加点項目をできるだけ取りにいく
多くの補助金には、一定の取り組みをしている事業者に点数を上乗せする「加点項目」があります。同じ内容の計画なら、加点がある方が有利です。代表的な例を挙げます(対象になるか・何点かは制度ごとに異なります)。
| 加点につながる取り組みの例 | 概要 |
|---|---|
| パートナーシップ構築宣言 | 取引先との共存共栄などを宣言し、専用ポータルサイトで公表する。比較的短期間で対応しやすい |
| 事業継続力強化計画の認定 | 災害等への備えの計画を国が認定する制度。認定までに時間がかかるため早めの準備が必要 |
| 賃上げに関する加点・特例 | 従業員の賃金引上げを表明・実施する事業者を優遇する仕組みが設けられることがある |
| 経営革新計画などの認定 | 都道府県等の承認を受けた経営計画が加点対象になる場合がある |
たとえば、ものづくり補助金ではパートナーシップ構築宣言や事業継続力強化計画の認定が加点項目として扱われてきました。どの加点が使えるかは公募回ごとに変わるため、申請する回の公募要領で必ず確認しましょう。
ポイント6:第三者に読んでもらいブラッシュアップする
自分では分かりやすいつもりでも、初めて読む人には伝わらないことがよくあります。商工会・商工会議所、よろず支援拠点、認定経営革新等支援機関(税理士・中小企業診断士・金融機関など)といった支援機関に計画書を見てもらい、客観的な指摘を受けて直すことで、書類の質は大きく上がります。
ポイント7:早めに準備し、締切直前の駆け込みを避ける
電子申請に必要なGビズIDプライムの取得、見積書の手配、支援機関への相談などには日数がかかります。締切直前に慌てて書いた計画書は完成度が下がりがちです。公募スケジュールを早めに把握し、逆算して準備を始めることが、結果的に採択率を上げることにつながります。
不採択になりやすいNGパターン
- 公募要領を読まず、要件・対象経費を満たしていない
- 課題と取り組みがつながっておらず、「単に設備が欲しいだけ」に見える
- 売上計画などの数字に根拠がない、または非現実的に大きい
- 誰がいつ何をするのかが書かれておらず、実行できるか判断できない
- 必要書類の不足・記載ミスなど、形式面の不備がある
なお、一度不採択になっても、多くの補助金は次回以降の公募で再申請できます。不採択の理由を振り返って計画書を磨き直し、再挑戦する事業者も少なくありません。
迷ったら専門家・支援機関に相談するのも近道
補助金の申請書類づくりは、慣れていないと時間がかかります。国が認定する「認定経営革新等支援機関」や、行政書士・中小企業診断士などの専門家は、審査の観点を踏まえた計画書のブラッシュアップを支援してくれます。商工会・商工会議所やよろず支援拠点なら無料で相談できます。
ただし、専門家に依頼しても採択が約束されるわけではありません。「丸投げ」ではなく、自社の事業を一番よく知る経営者自身が計画の中身を考え、専門家には伝え方や抜け漏れのチェックを助けてもらう、という役割分担が理想です。
まずは自社が使える補助金を知ることから始めよう
採択率を上げる工夫は、「自社に合った補助金を選ぶこと」から始まります。そもそも要件に合わない制度に申請しても採択されないため、自社の地域・業種・取り組みたい課題に合う制度を選ぶことが第一歩です。
補助金レーダーでは、会社の所在地・業種・課題を登録すると、条件に合いやすい補助金・助成金をルールベースのスコアで一覧表示できます。気になる制度が見つかったら、無料相談から行政書士・社労士などの専門家の紹介まで進むこともできます。まずは自社が対象になりそうな制度を確認してみてください。