新規事業に使える補助金まとめ|新事業進出・持続化・ものづくり
「新しい事業を始めたいが、まとまったお金がかかる」——そんなときに検討したいのが国の補助金です。2026年度は制度の統合という大きな変化があり、新規事業向けの補助金の選び方も変わりました。この記事では、2026年7月時点で新規事業に使える主な補助金を、規模や目的に応じた使い分けとあわせて解説します。
新規事業に補助金は使えるのか
結論から言うと、新規事業への挑戦は国の補助金が力を入れて支援している分野のひとつです。新しい製品やサービスの開発、これまでと違う分野への進出、販路の開拓などは、多くの補助金で対象になり得ます。
ただし、補助金は「申請すれば必ずもらえるお金」ではありません。事業計画を提出して審査を受け、採択された場合にだけ受け取れます。また、原則として後払い(事業を実施して経費を支払った後に精算)です。この2点は最初に押さえておきましょう。
ポイント
本記事は一般的な解説です。補助金の金額・要件・スケジュールは変更されることがあります。最新の要件・募集状況は必ず各制度の公式サイトでご確認ください。
【2026年度の大きな変化】新事業進出補助金とものづくり補助金が統合
新規事業向けの代表的な補助金だった「中小企業新事業進出補助金」と「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」は、2026年度から統合され、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」という一つの制度になりました。実施主体は中小企業基盤整備機構(中小機構)です。
統合後の制度には、目的に応じて主に3つの申請枠があります(2026年7月時点の第1回公募の内容です)。
| 申請枠 | 主な目的 | 補助上限額(2026年7月時点) | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 新しい製品・サービスの開発(旧ものづくり補助金に相当) | 750万〜2,500万円(賃上げ特例等で最大3,500万円) | 1/2〜2/3 |
| 新事業進出枠 | 既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出 | 2,500万〜7,000万円(賃上げ特例等で最大9,000万円) | 1/2(特例適用で2/3) |
| グローバル枠 | 海外市場の開拓(輸出など)に向けた設備投資等 | 2,500万〜7,000万円(賃上げ特例等で最大9,000万円) | 2/3 |
第1回公募は2026年6月29日に公募要領が公開され、申請受付は2026年8月31日開始、締切は2026年9月30日18時の予定です(2026年7月時点)。設備投資をともなう本格的な新規事業を考えている会社は、まずこの制度が候補になります。
小さく始めるなら「小規模事業者持続化補助金」
従業員数の少ない会社や個人事業主が、新しい商品・サービスの販路開拓に取り組む場合は「小規模事業者持続化補助金」が候補になります。チラシの作成、ホームページの改修、新商品の告知など、比較的小さな投資から使えるのが特徴です。
- 対象:商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員5人以下、製造業その他・宿泊業・娯楽業は20人以下の小規模事業者(2026年7月時点)
- 補助上限:通常50万円。インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円、両方の適用で最大250万円(2026年7月時点)
- 補助率:2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)(2026年7月時点)
- 第20回公募:申請受付は2026年11月5日〜12月15日17時の予定(2026年7月時点)
申請には、地域の商工会・商工会議所が発行する「事業支援計画書(様式4)」が必要です。発行には日数がかかり、第20回公募では発行受付の締切が2026年12月4日と、申請締切より早く設定されています。利用を考えている方は、早めに地域の商工会・商工会議所へ相談しておきましょう。
どの補助金を選ぶべきか|規模と目的で使い分ける
新規事業向けの補助金選びは、「投資の大きさ」と「事業の内容」で考えると整理しやすくなります。
| こんな新規事業なら | 候補になる補助金 |
|---|---|
| 数十万〜百数十万円の投資で新商品の販路を開拓したい | 小規模事業者持続化補助金 |
| 設備投資をして新しい製品・サービスを開発したい | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(革新的新製品・サービス枠) |
| 既存事業とは別の分野に本格的に進出したい | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(新事業進出枠) |
| 海外への輸出体制をつくりたい | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(グローバル枠) |
このほか、都道府県や市区町村が独自に設けている創業・新分野進出向けの補助金もあります。国の制度と自治体の制度は目的が重ならなければ併用を検討できる場合もあるため、自社の地域の制度もあわせて調べておくと選択肢が広がります。
申請前に確認したい3つの注意点
1. お金が入るのは事業の後
補助金は原則後払いです。まず自社で経費を支払い、実績報告が認められてから振り込まれます。それまでの資金は自己資金や融資でまかなう必要があるため、資金繰りの計画を先に立てておきましょう。
2. 採択されるとは限らない
どの補助金にも審査があり、申請しても不採択になることがあります。「補助金ありき」で新規事業の計画を組むのではなく、補助金がなくても成り立つ計画をベースに、採択されたら投資を厚くする、という考え方が安全です。
3. 事業計画書の質が結果を左右する
新規事業向けの補助金では、「なぜその事業に取り組むのか」「市場やお客様はどこにいるのか」「数字の見通しはどうか」を事業計画書で説明します。自社だけで書き切るのが難しい場合は、商工会・商工会議所や認定経営革新等支援機関、行政書士・中小企業診断士などの専門家に相談する方法もあります。
自社が使える補助金を確認するには
新規事業に使える補助金は、国の制度だけでなく自治体の制度も含めると数が多く、募集期間もばらばらです。ひとつずつ公式サイトを確認して回るのは、経営のかたわらでは負担が大きい作業です。
「補助金レーダー」では、会社の所在地・業種・従業員数・取り組みたい課題を登録すると、条件に合いやすい補助金・助成金をルールベースのスコアで一覧表示します。まず自社が対象になりそうな制度を無料で確認し、気になる制度があれば無料相談から行政書士・社労士などの専門家紹介まで進めます。新規事業の資金計画づくりの第一歩として、お気軽にお試しください。