副業・兼業でも補助金の対象になる?条件と使える制度を解説
会社員のかたわら副業をしている方や、兼業で小さく事業を始めた方から「副業でも補助金は使えるの?」という質問をよくいただきます。結論からいうと、一定の条件を満たせば、副業・兼業でも補助金の対象になり得ます。この記事では、対象になるための条件、副業でも検討しやすい制度、申請前に確認したいポイントを順番に解説します。
結論:副業でも「事業」として認められれば対象になり得る
多くの補助金は「中小企業・小規模事業者」を対象にしています。ここには法人だけでなく個人事業主も含まれます。つまり、副業であっても、税務署に開業届を出して個人事業主として事業を行っていれば、応募できる制度は存在します。
逆にいうと、「本業か副業か」よりも「事業として成立しているか」が見られます。開業届を出していない、収入が確定申告で雑所得になっている、といった状態では、事業とみなされず対象外になるのが一般的です。
ポイント
本記事は一般的な解説です。対象になるかどうかは各補助金の公募要領で個別に定められています。最新の要件・募集状況は必ず公式サイトでご確認ください。
副業で補助金の対象になるための3つの条件
副業・兼業で補助金を検討するとき、まず押さえたいのは次の3点です。
- 開業届を提出している:税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を出し、個人事業主になっていること。
- 実際に事業を開始している:開業届を出しただけで事業実態がない場合は対象外です。売上や取引の実績、帳簿・請求書などで事業を証明できる状態にしておきます。
- 収入が事業所得として扱われる:確定申告で副業収入が「雑所得」扱いだと、事業とみなされにくくなります。継続的・反復的に事業として取り組み、記帳や帳簿保存をしていることが大切です。
なお、事業所得か雑所得かは、収入の規模や継続性、帳簿の有無などをふまえて総合的に判断されます。迷う場合は税務署や税理士に確認しておくと安心です。
副業・兼業でも検討しやすい補助金の例
個人事業主が対象に含まれる代表的な制度を2つ紹介します。いずれも副業だからといって一律に除外されるわけではなく、要件を満たす個人事業主であれば応募を検討できます。
小規模事業者持続化補助金
チラシ作成やホームページ制作、店舗改装など、販路開拓の取り組みを支援する補助金です。従業員が少ない小規模事業者向けの制度で、個人事業主も対象に含まれます。開業届を提出して事業を開始していれば、副業・兼業の方でも応募を検討できます。
2026年7月時点では、一般型・通常枠の第20回公募の公募要領が公開されており、補助上限は50万円(特例の活用で引き上げあり)、補助率は2/3(賃金引上げ特例を適用する赤字事業者は3/4)とされています。申請受付は2026年11月5日から12月15日までの予定です。回によって内容が変わるため、最新は公式サイトで確認してください。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
会計ソフトや予約システム、ECツールなどのITツール導入を支援する補助金です。2026年度から「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されています。個人事業主も対象に含まれますが、2026年7月時点では、確定申告書や納税証明書の提出が求められるなど、事業実績を示す書類が必要とされています。開業して間もなく直近の確定申告を済ませていない個人事業主は申請できないとされているため、最新の要件は公式サイトで確認してください。
| 制度 | 主な用途 | 副業で使うためのポイント |
|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | チラシ・ホームページ・店舗改装など販路開拓 | 開業届+事業開始が前提。商工会・商工会議所のサポートを受けて計画書を作成 |
| デジタル化・AI導入補助金 | 会計・予約・ECなどのITツール導入 | 確定申告書など事業実績を示す書類が必要。導入するツールは登録されたものから選ぶ |
副業では使いにくい制度もある:助成金との違いに注意
「補助金」と似た言葉に「助成金」があります。厚生労働省系の助成金(キャリアアップ助成金など)は、雇用保険に加入している従業員を雇っていることが前提の制度が中心です。従業員を雇わずに一人で行う副業では、こうした雇用関係の助成金は基本的に使えません。
副業・兼業の段階では、まずは販路開拓やIT導入など「事業への投資」を支援する補助金から検討するのが現実的です。将来、人を雇う段階になったら助成金も視野に入ってきます。
申請前に確認したい4つのチェックポイント
- 勤務先の就業規則:会社員の方は、副業が認められているか、届け出が必要かを先に確認しましょう。
- 帳簿と確定申告の準備:補助金は応募時や実績報告で書類の提出が求められます。日頃から記帳し、確定申告をきちんと行っておくことが土台になります。
- お金は原則あと払い:補助金は経費を自分で支払ったあとに精算される仕組みが一般的です。立て替えられる資金があるかを確認しましょう。
- 採択されるとは限らない:補助金には審査があり、応募すれば受け取れるものではありません。事業計画の内容が問われます。
自分の副業で使える制度を手早く確認するには
副業で使える補助金は、事業の内容・地域・取り組みたいことによって変わります。一つひとつの公募要領を読み込むのは大変なので、まずは候補を絞り込むところから始めるのがおすすめです。
補助金レーダーでは、所在地や業種、取り組みたい課題などの会社情報を登録すると、条件に合いやすい補助金・助成金をルールベースのスコアで一覧表示できます。対象になりそうな制度を無料で確認でき、気になる制度が見つかったら、無料相談から行政書士・社労士などの専門家紹介まで進めます。副業を事業として育てていきたい方は、まず自分に合う制度があるかをチェックしてみてください。