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ECサイト構築に使える補助金|ネットショップ開設の支援制度を解説

「ネットショップを始めたいけれど、制作費が重い」——そんなときに検討したいのが補助金の活用です。ただし2026年時点では、どの補助金でもECサイトを作れるわけではなく、制度ごとに「使える範囲」がはっきり分かれています。この記事では、ECサイト構築・運営に使える主な補助金と、その使い分け・注意点を順番に解説します。

ECサイト構築に補助金は使える?まず全体像から

ECサイト(ネットショップ)の構築や運営には、国や自治体の補助金を活用できる可能性があります。ただし「ECサイトを作る費用」をそのまま補助する制度は多くありません。実際には、販路開拓の取り組みの一部としてサイト制作費を含める、EC運営を効率化するITツールの導入費を補助してもらう、といった形で使うのが基本です。

特に注意したいのが、これまでECサイト関連でよく使われてきたIT導入補助金の変化です。IT導入補助金は2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。ECサイトの新規制作(サイトをゼロから作る費用)は、名称変更より前の制度改定以降すでに原則対象外とされており、新制度でもこの扱いが続いています。目的によって使う制度を選び分けることが、以前にも増して大切になっています。

ポイント

本記事は2026年7月時点の情報にもとづく一般的な解説です。補助金額・補助率・締切などの要件や募集状況は変わることがあります。申請の際は必ず各制度の公式サイト・公募要領で最新情報をご確認ください。

小規模事業者持続化補助金——サイト制作費を含めやすい制度

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓(新しいお客様を増やす取り組み)に取り組む費用の一部を補助する制度です。対象経費のひとつに「ウェブサイト関連費」があり、ECサイトやホームページの制作・改修費を、販路開拓の計画の一部として含められる可能性があります。

ただし大事な条件があります。ウェブサイト関連費は単独では申請できず、チラシ作成や設備導入など、ほかの販路開拓の取り組みと組み合わせる必要があります。また、ウェブサイト関連費として計上できる金額には上限が設けられています。「ECサイト制作費だけを補助してほしい」という使い方はできない点に注意してください。

  • 対象:従業員数が一定以下の小規模事業者(個人事業主を含む)
  • 補助率:原則3分の2(2026年7月時点。類型により異なる場合があります)
  • 補助上限:通常の類型で50万円(2026年7月時点。特例や類型により上限が引き上がる場合があります)
  • ポイント:ウェブサイト関連費は単独申請不可・金額上限あり

金額の上限や公募スケジュールは公募回ごとに見直されるため、申請前に必ず公式の公募要領で最新の条件を確認しましょう。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)——EC運営の効率化に

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する費用の一部を国が補助する制度で、2025年度までは「IT導入補助金」という名称でした。前述のとおり、2026年時点ではECサイトの新規制作は原則対象外です。

一方で、ECサイトの「運営」を効率化するためのITツールであれば、補助対象になる可能性があります。たとえば次のようなツールです。

  • 受発注管理・在庫管理システム(複数モールの注文を一元管理するなど)
  • 会計ソフト・決済関連のソフトウェア
  • 顧客管理システム(CRM)

注意点として、この補助金は事前に事務局に登録されたITツールだけが対象で、ツールを提供する「IT導入支援事業者」と共同で申請する仕組みです。導入したいツールが登録されているか、公式サイトの検索ページで確認するところから始めましょう。

そのほかの選択肢——新事業進出補助金・ものづくり補助金・自治体の制度

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧・新事業進出補助金/ものづくり補助金)

事業再構築補助金の流れをくむ制度として、既存事業とは異なる新しい市場・事業への進出を支援する「中小企業新事業進出補助金」がありましたが、単独の制度としての公募は終了し、2026年度からはものづくり補助金と統合されて「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として公募されています(2026年7月時点)。新事業への進出を支援する枠では、単に既存商品の販売チャネルをECに広げるだけでは「新事業への進出」とは認められにくく、新しい製品・サービスやビジネスモデルの構築が求められます。ハードルは高めですが、EC進出が事業転換の柱になる場合は選択肢になります。

また、統合前のものづくり補助金は、革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの改善に取り組む中小企業を支援する制度で、対象経費にはシステム構築費やクラウドサービス利用費が含まれていました。統合後の新制度でも同様の投資を事業計画に組み込める場合があります。公募スケジュールや対象経費の最新情報は、必ず公式サイト・公募要領でご確認ください。

自治体独自の補助金

国の制度のほかに、都道府県や市区町村が独自にECサイト構築・デジタル化を支援する補助金を設けていることがあります。地域や年度によって内容が大きく異なるため、事業所のある自治体や商工会議所・商工会の窓口で確認してみましょう。

申請前に知っておきたい注意点

  • 補助金は原則「後払い」:交付決定→支払い→実績報告のあとに振り込まれるため、制作費はいったん全額立て替える資金が必要です。
  • 交付決定前の契約・発注は対象外:補助金の交付が決まる前にECサイト制作を発注してしまうと、補助を受けられなくなります。
  • 審査がある:申請すれば必ず採択される制度ではありません。販路開拓や生産性向上につながる計画かどうかが審査されます。
  • 月額利用料の扱いに注意:ASPカートの月額費用など、継続的な利用料は対象外だったり期間が限定されたりする場合があります。公募要領で対象経費を確認しましょう。
  • 採択後の報告義務:導入後の効果報告など、受給後にも手続きが続く制度が多くあります。
制度ECサイトでの主な使いみち向いている事業者
小規模事業者持続化補助金販路開拓の一環としてのサイト制作・改修(単独申請は不可)小規模事業者・個人事業主
デジタル化・AI導入補助金受発注・在庫・会計などEC運営の効率化ツール導入(新規制作は原則対象外)すでにECを運営中・開設予定の中小企業
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧・新事業進出補助金/ものづくり補助金)新事業の柱としてのEC進出や、EC関連のシステム投資(EC化のみでは対象になりにくい)事業転換・新市場進出や革新的な製品・サービス開発を計画する中小企業
自治体独自の補助金地域によりサイト制作費の補助など各自治体内の事業者

自社が使える制度を、まず一覧で確認しよう

ECサイトに使える補助金は、事業の規模や目的(新規開設か、運営の効率化か、事業転換か)によって最適な制度が変わります。制度ごとに公募時期も要件も異なるため、「どれが自社に合うのか」を最初に整理しておくと、その後の準備がぐっと楽になります。

補助金レーダーでは、会社の所在地・業種・従業員数・経営課題を登録すると、自社が対象になりやすい補助金・助成金をルールベースのスコアで一覧表示できます。無料で対象制度を確認でき、気になる制度が見つかったら、無料相談から行政書士・社労士などの専門家紹介まで進めることも可能です。「ECを始めたいが、どの補助金から調べればいいかわからない」という段階の方は、まず全体像の確認から始めてみてください。

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よくある質問

ECサイトの制作費だけを補助してもらえる補助金はありますか?

2026年7月時点では、国の制度でECサイト制作費を単独で補助するものは基本的にありません。小規模事業者持続化補助金ではウェブサイト関連費を計上できますが、ほかの販路開拓の取り組みと組み合わせる必要があり、金額にも上限があります。自治体独自の制度に制作費を対象とするものがある場合もあるので、地域の窓口でも確認してみましょう。

IT導入補助金でECサイトを作れると聞きましたが、今も使えますか?

2026年度からIT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わり、ECサイトの新規制作は原則として対象外とされています。一方、受発注管理・在庫管理・会計ソフトなど、EC運営を効率化する登録済みITツールの導入は対象になる可能性があります。最新の対象範囲は公式サイトでご確認ください。

個人事業主でもECサイト向けの補助金を使えますか?

使える可能性があります。小規模事業者持続化補助金やデジタル化・AI導入補助金は個人事業主も対象に含まれます。ただし従業員数などの要件や審査があるため、詳しくは各制度の公募要領を確認するか、専門家に相談することをおすすめします。

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