目的別

販路開拓・展示会出展に使える補助金まとめ【2026年版】

「新しい取引先を増やしたい」「展示会に出てみたいけれど費用が心配」——そんな販路開拓の悩みを持つ経営者の方に向けて、展示会出展やチラシ・広告などの費用に使える補助金・助成金をまとめました。国の制度から自治体の助成金まで、2026年7月時点の情報をもとに、それぞれの特徴と選び方をわかりやすく解説します。

販路開拓の費用は補助金の対象になる

販路開拓とは、新しいお客様や取引先を見つけて売上を伸ばすための活動のことです。具体的には、展示会への出展、チラシやパンフレットの作成、ウェブ広告の出稿、新商品の開発などが当てはまります。

こうした活動には、まとまったお金がかかります。たとえば展示会に出展する場合、出展料(ブースの小間代)だけでなく、装飾費、パンフレットの印刷費、運搬費なども必要です。国や自治体には、この販路開拓の費用の一部を補助してくれる制度がいくつかあり、うまく活用すれば自己負担を抑えて新しい挑戦ができます。

ただし、補助金は原則として「後払い」です。まず自分でお金を払い、事業が終わってから報告書を出して、補助金を受け取る流れになります。また、申請しても必ず採択されるわけではありません。この2点を前提に、自社に合う制度を選んでいきましょう。

ポイント

本記事は2026年7月時点の情報にもとづく一般的な解説です。補助金額・補助率・締切などは公募回ごとに変わる可能性があるため、最新の要件・募集状況は必ず各制度の公式サイトでご確認ください。

小規模事業者持続化補助金——販路開拓の定番

販路開拓に使える補助金として、まず名前が挙がるのが「小規模事業者持続化補助金」です。中小企業庁が所管する国の制度で、小規模事業者が経営計画を作り、その計画にもとづいて行う販路開拓の費用の一部を補助してくれます。

対象になるのは、常時使用する従業員が5人以下(商業・サービス業。宿泊業・娯楽業を除く)または20人以下(製造業その他)の小規模事業者で、個人事業主も申請できます。展示会への出展費用は、この補助金の代表的な対象経費のひとつです。ほかにチラシ・パンフレットの作成、ウェブサイトの制作・改修、店舗の改装などにも使えます。

2026年7月時点の一般型・通常枠では、補助上限は原則50万円、補助率は2/3です。さらに、インボイス特例(+50万円)や賃金引上げ特例(+150万円)の要件を満たすと、上限は最大250万円まで上がります。次回の第20回公募は、2026年11月5日から12月15日まで申請を受け付ける予定です。

申請には、地域の商工会・商工会議所の支援を受けながら経営計画書を作成する必要があります。準備に時間がかかるため、締切の2〜3か月前から動き始めるのがおすすめです。

より大きな投資なら——新事業進出補助金・ものづくり補助金

小規模事業者の枠を超える規模の会社や、より大きな金額の投資を考えている場合は、次の2つの国の補助金が候補になります。

新事業進出補助金

新事業進出補助金は、事業再構築補助金の後継として2025年に始まった制度で、新しい市場や高付加価値の事業への進出を支援します。設備投資が中心の補助金ですが、新事業の販路開拓にかかる展示会出展費用なども「広告宣伝・販売促進費」として対象に含められます。補助上限は従業員規模に応じて2,500万円〜7,000万円と大きく、思い切った事業展開を考えている会社に向いています。なお、2026年度からはものづくり補助金と統合され、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として公募が行われています(2026年7月時点で統合後の第1回公募が進行中。応募締切は2026年9月30日予定)。最新の枠組み・要件は公式サイトでご確認ください。

ものづくり補助金

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、新製品・新サービスの開発に必要な設備投資などを支援する制度です。海外展開を支援する枠では、海外市場向けの展示会出展費用やパンフレット制作費なども対象経費に含まれます。単独の制度としての公募は第23次(2026年2月6日〜5月8日)で締め切られ、2026年度からは前述のとおり「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合されました。今後の公募スケジュールは統合後の公式サイトで確認できます。

どちらも展示会出展「だけ」を目的に申請する補助金ではなく、新事業や新製品の計画全体の中に販路開拓費用を組み込む形になる点に注意しましょう。

自治体の助成金もチェック——東京都の例

国の補助金に加えて、都道府県や市区町村が独自に展示会出展を支援している場合があります。代表例が東京都です。

東京都中小企業振興公社の「展示会出展助成事業」(令和8年度)は、都内中小企業者の販路拡大のための展示会出展費用を助成する制度で、助成率は対象経費の2/3以内、助成限度額は最大150万円です(2026年7月時点)。申請は国の電子申請システム「Jグランツ」で受け付けており、事前にgBizIDプライムのアカウント取得が必要です。同公社には、上限300万円の「市場開拓助成事業」もあります。

東京都以外でも、多くの自治体が展示会出展や販路開拓の助成を行っています。「(都道府県名) 展示会 助成」などで検索するか、地元の商工会・商工会議所、自治体の産業振興課に問い合わせてみましょう。国の補助金より競争率が低く、使いやすい場合もあります。

主な制度の比較と選び方

ここまで紹介した制度を一覧にまとめます(2026年7月時点。最新は各公式サイトでご確認ください)。

制度名実施主体金額の目安向いている会社
小規模事業者持続化補助金国(中小企業庁)上限50万円(特例で最大250万円)・補助率2/3従業員5〜20人以下の小規模事業者・個人事業主
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧・新事業進出補助金/ものづくり補助金)国(中小企業庁)枠・従業員規模により上限2,500万〜7,000万円新市場への進出や新製品・新サービス開発など大きな投資を伴う中小企業
展示会出展助成事業(東京都)東京都中小企業振興公社上限150万円・助成率2/3以内展示会出展そのものを支援してほしい都内中小企業

選び方の目安はシンプルです。展示会出展やチラシなど販路開拓の費用そのものを補助してほしいなら、持続化補助金か自治体の助成金。新事業や新製品の計画全体の一部として販路開拓費を組み込みたいなら、新事業進出・ものづくり補助金(旧・新事業進出補助金/ものづくり補助金)が候補になります。

申請前に押さえたい3つの注意点

  • 交付決定前の支出は対象外になるのが原則です。補助金の採択・交付決定より前に出展契約や支払いを済ませてしまうと、その経費は補助されません。展示会の申込時期と公募スケジュールを必ず突き合わせましょう。
  • 同じ経費に複数の補助金を重ねて使うこと(二重受給)はできません。複数の制度に申請する場合は、経費の切り分けが必要です。
  • 採択後も、実績報告や書類の保存などの手続きが続きます。領収書や成果物の写真をきちんと残す体制を、申請前に整えておきましょう。

自社に合う制度を探すなら補助金レーダーで

ここまで見てきたように、販路開拓に使える制度は国・自治体にまたがって複数あり、自社の従業員数や地域、やりたいことによって最適な選択肢は変わります。「結局うちはどれを使えるのか」を一つひとつ調べるのは、忙しい経営者にとって大きな負担です。

補助金レーダーなら、会社の所在地・業種・従業員数・経営課題を登録するだけで、自社が対象になりやすい補助金・助成金を一覧で確認できます。マッチングはルールにもとづくスコアリングで、対象になりやすい制度から順に表示されます。気になる制度が見つかったら、無料相談から行政書士・社労士などの専門家の紹介まで進めることもできます。展示会出展を考え始めたこのタイミングで、まずは自社に合う制度をチェックしてみてください。

自社が対象の補助金、確かめてみませんか

業種・地域・課題を選ぶだけで、対象になりやすい制度を根拠つきで表示。登録・利用は無料です。

よくある質問

展示会の出展料だけでも補助金の対象になりますか?

制度によります。小規模事業者持続化補助金や東京都の展示会出展助成事業では、出展小間料や装飾費などの出展関連経費が対象になり得ます。ただし、どの経費がどこまで認められるかは公募要領で細かく決められているため、申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。

個人事業主でも販路開拓の補助金を使えますか?

使える制度があります。代表例の小規模事業者持続化補助金は、法人だけでなく個人事業主も対象です。ただし従業員数などの要件があり、自治体の助成金は所在地の要件もあるため、各制度の公募要領で自分が対象に含まれるかを確認しましょう。

すでに申し込んだ展示会の費用にも補助金を使えますか?

難しい場合が多いです。補助金は原則として、交付決定より前に契約・支払いをした経費を対象にできません。展示会への出展を決める前に、使えそうな補助金の公募スケジュールを確認し、交付決定のタイミングと出展契約の順序を整理しておくことが大切です。

関連ページ