採用・雇用に使える助成金まとめ|人を雇うときの支援制度を解説
「人を採用したいけれど、費用が心配」。そんな中小企業や個人事業主を支えるため、国は雇い入れに関するさまざまな助成金を用意しています。返済不要で、要件を満たして申請すれば受け取れる可能性があるお金です。この記事では、採用・雇用の場面で使える主な助成金と選び方、申請の流れを、初めての方にもわかりやすく解説します。
採用に使える「助成金」とは?補助金との違い
採用・雇用の場面で使える支援制度の多くは、厚生労働省が実施する「雇用関係助成金」です。雇用保険料などを財源としており、就職が難しい人の雇い入れや、非正規社員の正社員化、社員教育といった取り組みを行う事業主に支給されます。
助成金は融資と違って返済不要です。また、コンテストのように審査で競う「補助金」と異なり、要件を満たして正しく申請すれば受給できる可能性が高いのが特徴です。ただし、雇用保険の適用事業所であることや、法定の帳簿(賃金台帳・出勤簿など)を整えていることなど、事業主側の基本的な条件を満たしている必要があります。
ポイント
本記事は一般的な解説です。支給額・要件・募集状況は年度ごとに見直されるため、最新の情報は必ず厚生労働省やハローワークなどの公式サイトでご確認ください。
人を雇うときに使える主な助成金一覧【2026年7月時点】
採用・雇用に関わる代表的な助成金を、目的別に整理すると次のようになります(2026年7月時点。金額・要件の最新は公式サイトでご確認ください)。
| 制度名 | どんなときに使えるか | 支給額の目安(2026年7月時点) |
|---|---|---|
| トライアル雇用助成金 | 職業経験の不足などで就職が難しい人を、原則3か月の「お試し雇用」で受け入れるとき | 一般トライアルコースで1人あたり月額4万円(母子家庭の母・父子家庭の父は月額5万円)を最長3か月 |
| 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース) | 高年齢者(60歳以上)、障害のある方、母子家庭の母などをハローワーク等の紹介で継続雇用するとき | 対象者や労働時間に応じて40万円〜240万円(中小企業の場合。例:60歳以上の方や母子家庭の母は60万円、短時間労働者は40万円) |
| キャリアアップ助成金(正社員化コース) | パート・契約社員などの非正規社員を正社員に転換するとき | 中小企業で1人あたり40万円。重点支援対象者は2期あわせて最大80万円 |
| 人材開発支援助成金 | 採用した社員に研修・訓練を受けさせて育成するとき | 訓練にかかった経費や訓練期間中の賃金の一部を助成(コースにより異なる) |
| 早期再就職支援等助成金(中途採用拡大コース) | 中途採用者の割合を拡大するなど、中途採用を計画的に増やすとき | 取り組み内容に応じて支給(旧・中途採用等支援助成金。2024年4月に統合・名称変更) |
このほかにも、雇用関係助成金には多くのコースがあります。自社の採用の状況に合わせて、どの制度が当てはまりそうかを大まかにつかむことが第一歩です。
目的別・助成金の選び方
未経験の人を試しに雇ってみたい → トライアル雇用助成金
「いきなり正社員で雇うのは不安」という場合に向いています。ハローワークなどの紹介を通じて、原則3か月のお試し雇用から始められます。採用のミスマッチを減らせるのが大きなメリットです。求人サイトで自社が直接募集した人は原則対象外なので、まずハローワークにトライアル雇用求人を出すところから始めます。
シニアや障害のある方を雇いたい → 特定求職者雇用開発助成金
60歳以上の方、障害のある方、母子家庭の母など、就職が特に難しい方を継続して雇用する場合に使えます。雇用関係助成金の中でも支給額が比較的大きい制度です。こちらもハローワークや職業紹介事業者の紹介を経由した雇い入れが要件で、2026年5月以降は、60歳以上の方についてハローワーク等で就労に向けた個別支援を受けていることが要件に加わるなど、条件の見直しも行われています。
パートを正社員にしたい → キャリアアップ助成金
すでに働いているパート・アルバイト・契約社員を正社員に転換するときの代表的な助成金です。「新しく雇う」場面だけでなく、「いまいる人を正社員として定着させる」場面で使える点がポイントです。転換の前に「キャリアアップ計画」を提出しておく必要があるため、思い立ったらまず計画づくりから始めましょう。
採用した人を育てたい → 人材開発支援助成金
採用後の研修・訓練にかかる費用や、訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。未経験者を採用して自社で育てる方針の会社なら、トライアル雇用助成金やキャリアアップ助成金と組み合わせて検討する価値があります。
申請の流れと共通の注意点
制度ごとに細かな手続きは異なりますが、雇用関係助成金にはおおよそ共通する流れと注意点があります。
- 多くの制度で「雇い入れの前」または「取り組みの前」に計画の提出や求人の申し込みが必要です。雇ってから調べると手遅れになることがあります
- ハローワークや職業紹介事業者の紹介経由であることが要件の制度が多く、直接応募は対象外になりやすい点に注意しましょう
- 助成金は原則後払いです。給与や研修費用はいったん自社で全額負担する必要があります
- 支給申請には期限があります。期限を過ぎると受給できないおそれがあるため、スケジュール管理が重要です
- 賃金台帳・出勤簿・雇用契約書などの書類が整っていないと不支給になることがあります。日頃の労務管理が土台になります
また、雇用関係助成金は年度ごとに要件や金額が改定されます。着手する前に、厚生労働省の公式ページや管轄の労働局・ハローワークで最新情報を確認し、不安があれば社労士などの専門家に相談すると安心です。
自社が使える採用の助成金を無料でチェックするには
ここまで見てきたように、採用・雇用に使える助成金は種類が多く、「誰を」「どう雇うか」で使える制度が変わります。自社に当てはまる制度を一つひとつ調べるのは、忙しい経営者にとってなかなかの負担です。
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