東京都の補助金・助成金まとめ|探し方と代表的な制度を解説
「東京都の補助金を調べてみたけれど、種類が多すぎてどれが自社に関係あるのかわからない」——そんな声をよく聞きます。東京都は全国のなかでも独自の補助金・助成金が特に充実している自治体で、国の制度・都の制度・区市町村の制度が重なり合って存在します。この記事では、東京都の補助金・助成金の全体像と探し方、代表的な制度を、初めての方にもわかりやすく整理します。
東京都の補助金・助成金は「3層構造」で考える
東京都内の事業者が使える補助金・助成金は、大きく3つの層に分かれています。どの層の制度なのかを意識するだけで、情報がぐっと整理しやすくなります。
| 層 | 実施主体の例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 国の制度 | 中小企業庁、厚生労働省など | 全国共通。小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金など |
| 東京都の制度 | 東京都、東京都中小企業振興公社、東京都産業労働局など | 都内事業者限定。創業・開発・雇用など独自メニューが豊富 |
| 区市町村の制度 | 23区・多摩地域の各市町村 | その区市町村内の事業者限定。家賃補助や小規模な設備補助など |
東京都の制度は、都内の事業者だけが対象になるぶん、全国規模の国の補助金に比べて競争相手が限られるという面があります。また、国の制度と都の制度は目的が重複しなければ併用を検討できる場合もあります(可否は各制度の要件によります)。
ポイント
本記事は2026年7月時点の情報にもとづく一般的な解説です。助成金額・要件・募集スケジュールは変更される場合があります。最新の要件・募集状況は、必ず各制度の公式サイトでご確認ください。
東京都の補助金・助成金の探し方
東京都の制度は実施主体が複数に分かれているため、「ここだけ見れば全部わかる」という単一の窓口はありません。次のようなサイトを組み合わせて探すのが基本です。
- 東京都中小企業振興公社の公式サイト:創業・設備投資・販路開拓など、都の産業系助成金の中心的な実施機関
- TOKYOはたらくネット(東京都産業労働局):正規雇用化や職場環境の整備など、雇用関係の助成金・奨励金の情報
- J-Net21(中小企業基盤整備機構):全国の補助金・助成金情報を毎日更新している検索サイト。地域で絞り込みが可能
- ミラサポplus(中小企業庁):国の補助金・支援制度をまとめた公式ポータル
- 各区市町村の公式サイト:自社の所在地の区・市のページで「補助金」「助成金」を検索
また、東京商工会議所も都内中小企業向けに国・東京都の主な補助金・助成金の情報を案内しています。会員でなくても閲覧できる情報が多いので、あわせてチェックすると便利です。
探すときのコツ:「目的」から絞り込む
制度の数が多いため、片っ端から読むのは現実的ではありません。「創業したい」「設備を入れたい」「人を雇いたい」「販路を広げたい」など、まず自社の目的をひとつ決めてから、その目的に合う制度だけを探すのが近道です。
代表的な制度①:東京都中小企業振興公社の助成金
東京都の産業系助成金の多くは、公益財団法人東京都中小企業振興公社が窓口となって実施しています。創業支援から研究開発、販路拡大まで幅広いメニューがあり、代表的なものをいくつか紹介します。
創業助成事業(創業助成金)
都内で創業を予定している方や、創業して5年未満の中小企業者等を対象に、賃借料や広告費など創業初期の経費の一部を助成する制度です。2026年7月時点では、助成率は対象経費の3分の2以内、上限は400万円とされています。TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援を修了しているなど、都の創業支援事業を利用していることが要件になる点が特徴です。
新製品・新技術開発助成事業
都内中小企業者等の新しい製品や技術の研究開発にかかる経費の一部を助成する制度です。令和8年度の募集では助成上限が最大2,500万円と、都の助成金のなかでも大型のメニューです(2026年7月時点。募集期間は年度ごとに設定されるため、最新のスケジュールは公社の公式サイトでご確認ください)。
そのほかのメニュー
- 設備投資やDX・省エネ化を後押しする助成金
- 展示会出展など販路拡大を支援する助成金
- サイバーセキュリティ対策の製品・サービス導入を支援する助成金
いずれも募集時期・要件は制度ごとに異なります。公社のサイトでは分野別に助成金が一覧化されているので、目的に合うものがないか定期的に確認するとよいでしょう。
代表的な制度②:雇用関係の助成金(TOKYOはたらくネット)
人の採用や職場環境の改善に関する助成金は、東京都産業労働局が「TOKYOはたらくネット」というサイトでまとめて案内しています。国の雇用関係助成金(キャリアアップ助成金など)とは別に、東京都独自の上乗せ・独自メニューがあるのがポイントです。
- 東京都正規雇用転換安定化支援助成金:国のキャリアアップ助成金(正社員化コース)を活用してパート・契約社員などを正社員へ転換した中小企業に、転換後の定着支援や労働環境整備の取り組みを都が独自に上乗せして支援
- 東京都若者世代職場定着促進助成金:若手正社員の定着に向けた育成計画の策定や、退職金・結婚・育児支援などの制度整備、賃上げを支援
- 障害者雇用に関する奨励金・助成金:初めての障害者雇用や定着支援など
雇用関係の助成金は「取り組みを始める前の計画届や申請」が必要なものが多く、順番を間違えると対象外になりやすい分野です。着手前に要件を確認しましょう。
申請前に押さえておきたい3つの注意点
- 原則は後払い(精算払い):補助金・助成金は経費を支払ったあとに交付されるのが基本です。手元資金の計画を先に立てましょう
- 審査があり、申請すれば受け取れるわけではない:事業計画の内容や要件の充足が審査されます
- 電子申請の準備に時間がかかる:Jグランツによる電子申請を採用する制度が増えており、必要なGビズIDプライムの取得には日数がかかる場合があります。早めの準備がおすすめです
また、募集期間が数週間程度と短い制度も珍しくありません。「見つけたときには締め切っていた」を避けるには、日ごろから情報を受け取れる仕組みを持っておくことが大切です。
自社が対象になる制度を効率よく見つけるには
ここまで見てきたとおり、東京都の補助金・助成金は実施主体もサイトも分かれていて、自力で全体を追いかけるのはなかなか大変です。「自社の所在地・業種・課題に合う制度だけを知りたい」という方には、補助金レーダーのようなサービスを使うのもひとつの方法です。
補助金レーダーでは、会社の所在地や業種、いま取り組みたい課題を登録すると、条件に合いやすい補助金・助成金をルールベースのスコアリングで一覧表示します。気になる制度が見つかったら、無料相談から行政書士・社会保険労務士などの専門家の紹介まで進めることもできます。まずは自社がどんな制度の対象になりそうか、確認してみてください。