持続化補助金の創業型(創業枠)とは?通常枠との違い・上限額を解説
小規模事業者持続化補助金には、創業して間もない事業者向けの「創業型」という区分があります。以前は「創業枠」と呼ばれていた仕組みの流れをくむもので、通常の枠より補助上限額が大きいことが特徴です。この記事では、創業型の対象条件、上限額と補助率、通常枠(一般型)との違い、申請の流れを順番に解説します。
持続化補助金の創業型(創業枠)とは
小規模事業者持続化補助金は、小規模な会社や個人事業主が販路開拓(お客様を増やす取り組み)などを行うときに、その経費の一部を国が補助してくれる制度です。中小企業庁の予算で実施され、全国の商工会・商工会議所が申請のサポート窓口になっています。
このうち「創業型」は、創業して間もない小規模事業者を対象にした区分です。かつては一般型の中の「創業枠」という位置づけでしたが、現在は独立した「創業型」として、一般型とは別に公募が行われています。開業したばかりでお金がかかる時期に、チラシやホームページ、設備などの販路開拓の費用を後押ししてもらえるのが魅力です。
創業型の対象になる人の条件
創業型は「創業した人なら誰でも使える」わけではありません。2026年7月時点の公募情報では、主に次の条件を満たす必要があります。
- 小規模事業者であること(従業員数が、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、製造業その他は20人以下)
- 産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または認定市区町村と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施する「特定創業支援等事業」の支援を受けていること
- 特定創業支援等事業の支援を受けた日と開業日が、公募締切から起算して過去1年以内であること(2026年の第3回公募から。それまでは3年以内でした)
- 商工会・商工会議所の支援を受けて、事業支援計画書(様式4)を発行してもらうこと
ポイントは「特定創業支援等事業」です。これは市区町村や商工会議所などが行う創業セミナー・個別相談などのことで、一定の支援を受けると市区町村から証明書がもらえます。この証明書が創業型の申請に必要になるため、これから創業する方や創業直後の方は、まずお住まいの市区町村の創業支援メニューを確認しておくとよいでしょう。
ポイント
本記事は一般的な解説です。対象条件・金額・スケジュールなどの最新の要件や募集状況は、必ず中小企業庁・持続化補助金の公式サイトや最新の公募要領でご確認ください。
創業型の補助上限額と補助率
2026年7月時点の公募情報では、創業型の補助上限額と補助率は次のとおりです。
| 項目 | 内容(2026年7月時点) |
|---|---|
| 補助上限額 | 200万円 |
| インボイス特例 | 要件を満たすと50万円上乗せ(最大250万円) |
| 補助率 | 3分の2 |
補助率3分の2とは、対象経費のうち3分の2まで補助されるという意味です。たとえば300万円の販路開拓費用を使った場合、その3分の2にあたる200万円(上限額)まで補助を受けられる計算になります。逆にいえば、残りの3分の1は自己負担ですし、補助金は原則として後払い(精算払い)なので、いったん自分で支払うお金の準備も必要です。
通常枠(一般型)との違い
持続化補助金には、創業型のほかに、創業年数を問わず使える「一般型(通常枠)」があります。両者の主な違いを表で整理します(2026年7月時点の公募情報に基づく内容です)。
| 項目 | 創業型 | 一般型(通常枠) |
|---|---|---|
| 対象者 | 特定創業支援等事業の支援を受け、支援日・開業日が公募締切から過去1年以内の小規模事業者 | 創業年数を問わない小規模事業者 |
| 補助上限額 | 200万円 | 50万円 |
| 特例による上乗せ | インボイス特例で最大250万円 | インボイス特例+賃金引上げ特例で最大250万円 |
| 補助率 | 3分の2 | 3分の2(賃金引上げ特例の赤字事業者は4分の3) |
| 創業の証明書 | 必要(特定創業支援等事業の証明書) | 不要 |
大きな違いは基本の上限額です。一般型(通常枠)の上限が50万円なのに対し、創業型は最初から200万円と4倍の水準です。創業初期は看板・内装・ホームページ・チラシ・設備など出費が重なるため、条件に当てはまる方にとって創業型は有力な選択肢になります。
なお、創業型と一般型(通常枠)は同時に申請することはできず、どちらか一方を選ぶ必要があります。自分がどちらの条件に当てはまるかを確認したうえで、条件を満たすなら上限額の大きい創業型を検討する、という順番で考えるとよいでしょう。
対象になる経費・使い道の例
創業型で補助の対象になるのは、販路開拓やそれにあわせた業務効率化のための経費です。代表的なものには次のようなものがあります。
- 機械装置等費(事業に必要な機械・設備の購入など)
- 広報費(チラシ・パンフレットの作成、看板の設置など)
- ウェブサイト関連費(ホームページやECサイトの制作・改修など)
- 展示会等出展費(展示会・商談会への出展料など)
- 旅費(販路開拓のための出張費など)
- 新商品開発費(新しい商品・サービスの試作や開発にかかる費用など)
どの経費が対象になるかは公募要領で細かくルールが決まっており、対象外の経費や上限のある費目もあります。使いたい経費が対象になるかは、申請前に公募要領と商工会・商工会議所への相談で確認しておくと安心です。
申請の流れとスケジュール
創業型の申請は、おおまかに次のステップで進みます。
- 1. 市区町村などの「特定創業支援等事業」の支援を受け、証明書を取得する
- 2. 経営計画・補助事業計画(何にお金を使い、どう売上につなげるか)を作成する
- 3. 地域の商工会・商工会議所に相談し、事業支援計画書(様式4)を発行してもらう
- 4. 公募期間内に申請する(電子申請。GビズIDが必要になるため早めの取得がおすすめです)
- 5. 採択・交付決定後に補助事業を実施し、実績報告を経て補助金を受け取る
スケジュールについては、2026年は第3回公募が3月6日に受付開始、4月30日に締め切られました(2026年7月時点では受付終了)。次の第4回公募はすでに公募要領が公開されており、2026年11月5日に申請受付開始、12月15日締切と案内されています(2026年7月時点。日程は変更される可能性があります)。様式4の発行には商工会・商工会議所とのやり取りの時間が必要で、発行受付は申請締切より前に締め切られます(第4回は12月4日までと案内されています)。最新の公募スケジュールは必ず公式サイトでご確認のうえ、準備は締切の1〜2か月前から始めるのがおすすめです。
自社が使える制度をまとめて確認するには
創業型は魅力的な制度ですが、「支援日・開業日が過去1年以内」という条件があるため、タイミングを逃すと使えません。また、創業期に使える制度は持続化補助金だけでなく、自治体の創業助成金など地域ごとの選択肢もあります。自分の会社がどの制度の対象になりそうかを、早めに全体像として把握しておくことが大切です。
補助金レーダーでは、会社の所在地・業種・従業員数などを登録すると、対象になりやすい補助金・助成金をルールベースのスコアで一覧表示できます。募集中の制度を無料で確認でき、気になる制度が見つかったら、無料相談から行政書士・社労士などの専門家の紹介まで進むことも可能です。「創業型に間に合うのか」「ほかに使える制度はないか」を整理する入り口として、ぜひ活用してみてください。