比較・選び方

リースと購入どっちが補助金の対象?制度ごとの扱いと選び方

「設備はリースで入れたいけれど、補助金の対象になるの?」——設備投資を考える経営者からよくいただく質問です。結論からいうと、補助金は「購入」を対象とするのが基本ですが、制度によってはリースやレンタルも対象になります。この記事では、リースと購入で補助金の扱いがどう変わるのか、主な制度ごとの違いと選び方を、補助金にくわしくない方にもわかるように解説します。

結論:補助金は「購入」が基本、リースは制度しだい

まず大きな結論です。多くの補助金は、設備を「購入」して自社の資産にすることを前提に設計されています。一方で、リースやレンタルによる導入を認める制度も増えており、なかにはリース会社と一緒に申請する専用の仕組みを持つ補助金もあります。

つまり「リースと購入のどちらが対象か」は制度ごとに答えが変わります。同じ設備でも、使う補助金によってリースが認められたり、認められなかったりするので、「導入方法を決める前に、使いたい補助金のルールを確認する」ことが何より大切です。

前提知識:ファイナンス・リースとレンタルの違い

補助金の公募要領を読むときは、「リース」と「レンタル」が区別されている点に注意が必要です。ざっくりいうと次のような違いがあります。

  • ファイナンス・リース:借りる会社のためにリース会社が設備を購入し、長期間貸し出す契約。原則として途中解約できず、実質的には分割払いでの購入に近い仕組みです
  • レンタル(オペレーティング・リースを含む借用):貸主がすでに持っている設備などを、必要な期間だけ借りる契約。比較的短期間で、途中で返せる場合もあります

補助金の世界では、この2つで扱いが分かれることがあります。たとえば「レンタルは対象だがファイナンス・リースは専用の共同申請が必要」といった制度もあるため、自社の契約がどちらに当たるかをリース会社に確認しておきましょう。

主な補助金でのリース・購入の扱い(2026年7月時点)

代表的な設備投資系の補助金について、リースと購入の扱いを整理します。いずれも2026年7月時点の公開情報にもとづく整理で、公募回によって条件は変わります。

制度名購入リース・レンタルの扱い
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)対象レンタルも対象になり得る。ファイナンス・リースは「対象リース会社」との共同申請という専用の仕組みがある
ものづくり補助金対象借用(リース・レンタル)は対象になり得るが、補助事業の実施期間中に支払う分の費用しか対象にならない
IT導入補助金(2026年からは「デジタル化・AI導入補助金」)ソフトウェア購入費・クラウド利用料などが対象リース・レンタル契約のITツールは原則対象外
ESGリース促進事業—(リース専用の制度)環境性能の高い設備をリースで導入する際に、リース料の一部を補助する制度

ポイント

本記事は2026年7月時点の情報にもとづく一般的な解説です。対象経費・補助率・募集状況などの要件は公募回ごとに変更されることがあります。申請の際は、必ず各制度の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。

中小企業省力化投資補助金:リース会社との共同申請という仕組み

人手不足対策の自動化設備を支援する中小企業省力化投資補助金(事務局は中小企業基盤整備機構)のカタログ注文型では、購入・レンタルに加えて、ファイナンス・リースでの導入にも対応しています。ただしファイナンス・リースの場合は、事務局に登録された「対象リース会社」と共同で申請する必要があり、補助金は事業者ではなくリース会社に交付され、その分がリース料の減額というかたちで事業者に還元される仕組みです。

ものづくり補助金:リースは「期間分だけ」しか対象にならない

ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)では、機械装置の「借用」も対象経費に含まれますが、補助の対象になるのは補助事業の実施期間中に支払うリース料・レンタル料のみです。たとえば5年契約のリースを組んでも、補助事業期間が数か月〜1年程度であれば、その期間分の支払いしか補助されません。長期リースの場合、購入に比べて補助される金額がかなり小さくなる可能性がある点に注意しましょう。

IT導入補助金:リース・レンタルは原則対象外

ITツールの導入を支援するIT導入補助金(2026年からは「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わっています)では、ソフトウェアの購入費やクラウドサービスの利用料などが対象で、リース・レンタル契約によるITツールの導入費用は原則として補助対象外とされています。ITツールをリースで入れたい場合は、この制度は使いにくいと考えたほうがよいでしょう。

リースで補助金を使うときの注意点

  • 交付決定前の契約は対象外:ほとんどの補助金で、交付決定より前に契約・発注したものは補助されません。リース契約を結ぶタイミングに注意しましょう
  • 対象になるのは期間分だけの制度がある:ものづくり補助金のように、補助事業期間中の支払い分しか対象にならない制度では、長期リースは補助額が小さくなりがちです
  • リース会社との共同申請が必要な場合がある:中小企業省力化投資補助金のファイナンス・リースのように、対象リース会社と一緒に申請する仕組みでは、リース会社選びから準備が必要です
  • 補助金で取得した設備には処分制限がある:購入の場合、補助金で買った設備を一定期間は勝手に売却・廃棄・転用できないルール(財産処分の制限)があるのが一般的です
  • 会計・税務の扱いが変わる:リースと購入では経費計上の方法が異なります。判断に迷う場合は税理士などの専門家に相談しましょう

購入とリース、どちらを選ぶかの考え方

補助金の使いやすさだけでいえば、多くの制度で扱いがシンプルなのは「購入」です。補助対象経費の全額(のうち補助率分)を一度に申請でき、制度選びの選択肢も広くなります。一方で、購入は初期の資金負担が大きく、補助金は原則後払いのため、入金までのつなぎ資金も必要です。

リースは初期費用を抑えられるのが最大の利点で、手元資金に余裕がない場合や、設備の入れ替えサイクルが早い業種では合理的な選択です。ただし補助金との組み合わせでは、使える制度が限られたり、補助される金額が期間分に限定されたりします。「初期資金に余裕があり補助額を最大化したいなら購入、資金繰り優先ならリース対応の制度を探す」というのが基本的な考え方になります。

比較ポイント購入リース
初期の資金負担大きい(補助金は後払い)小さい(月々の支払い)
補助金の選択肢広い(多くの制度が購入前提)制度が限られる
補助される範囲対象経費の全体が基準になりやすい期間分のみなど限定される場合がある
設備の所有権自社リース会社

リース対応の補助金探しは、まず無料で対象制度の確認から

見てきたとおり、リースが使えるかどうかは制度ごとにバラバラで、公募要領を1つずつ読み込んで確認するのはかなり大変です。「そもそも自社が対象になる補助金はどれか」を先に絞り込んでから、導入方法を検討するほうが効率的です。

補助金レーダーでは、都道府県・業種・従業員数・経営課題などの会社情報を登録すると、自社が対象になりやすい補助金・助成金をルールベースのスコアで一覧表示できます。対象になりそうな制度の確認は無料です。さらに、無料相談から行政書士・社労士などの専門家の紹介まで進めるので、「リースと購入のどちらで申請すべきか」「事業計画書を書けるか不安」という段階からでも相談できます。設備の導入方法を決める前に、まず自社に合う制度をチェックしてみてください。

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よくある質問

すでに結んでいるリース契約のリース料に、あとから補助金を使えますか?

原則としてできません。ほとんどの補助金では、交付決定より前に契約・発注した経費は対象外です。補助金の活用を考えているなら、リース契約を結ぶ前に公募スケジュールを確認し、交付決定を待ってから契約するのが基本です。

レンタルとファイナンス・リースで、補助金の扱いは変わりますか?

制度によって変わることがあります。たとえば中小企業省力化投資補助金のカタログ注文型では、レンタルは事業者自身の申請で対象になり得る一方、ファイナンス・リースは対象リース会社との共同申請という別の仕組みが用意されています。自社の契約がどちらに当たるか、リース会社と公募要領の両方で確認しましょう。

リースより購入のほうが補助金では有利なのでしょうか?

一概にはいえませんが、選べる制度の幅や補助される範囲の面では購入のほうがシンプルな場合が多いです。一方、リースは初期費用を抑えられる利点があります。手元資金・設備の使用期間・使いたい制度のルールをあわせて比較し、迷う場合は専門家に相談することをおすすめします。

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