【2026年最新】両立支援等助成金とは?育休・介護と仕事の両立支援をやさしく解説
「従業員が育休や介護休業を取ると、現場が回らなくなりそうで不安」という経営者の方は多いのではないでしょうか。両立支援等助成金は、育児や介護と仕事を両立しやすい職場づくりに取り組む会社を、国がお金の面で応援する制度です。この記事では、コースの全体像・支給額の目安・申請の流れを、初めての方にもわかりやすく解説します。
両立支援等助成金とは
両立支援等助成金とは、厚生労働省が実施している雇用関係の助成金です。従業員が育児・介護・不妊治療などと仕事を両立できるように、育児休業を取りやすい環境づくりや、休業中の業務を代わりに担う体制づくりなどに取り組んだ事業主に対して、国がお金を支給します。
設備投資などを支援する「補助金」と違い、審査で他社と競う仕組みではなく、要件を満たす取り組みを行って正しく手続きすれば受給につながりやすいのが特徴です。決まった公募期間は基本的になく、取り組みを行ったうえで定められた期限内に申請します。受け取ったお金は返済不要です。
- 実施機関:厚生労働省(申請窓口は都道府県労働局)
- 対象:雇用保険に加入している事業主(多くのコースは中小企業が中心)
- 目的:育児・介護等と仕事の両立支援、男性育休の促進、介護離職の防止など
- 返済:不要(要件を満たした取り組みへの支給)
6つのコースの全体像
両立支援等助成金は、支援したい場面ごとにコースが分かれています。2026年7月時点では、主に次の6つのコースが設けられています(コースの構成は年度によって見直されるため、最新は厚生労働省の公式サイトでご確認ください)。
| コース名 | どんな取り組みが対象か |
|---|---|
| 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金) | 男性従業員が育児休業を取りやすい環境をつくり、実際に取得させる |
| 育児休業等支援コース | 育休の取得から職場復帰までを計画的に支援する |
| 育休中等業務代替支援コース | 育休中などの従業員の業務を、手当や新規雇用でカバーする体制をつくる |
| 介護離職防止支援コース | 介護休業の取得・復帰や、介護と仕事の両立制度の利用を支援する |
| 柔軟な働き方選択制度等支援コース | テレワークや時差出勤など、育児期の柔軟な働き方の制度を複数導入し利用させる |
| 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース | 不妊治療や女性の健康課題と仕事の両立のための休暇制度などを整備する |
「男性の育休を増やしたい」「介護で辞める人を出したくない」など、自社の課題に合うコースを選んで取り組むイメージです。複数のコースを組み合わせて活用できる場合もあります。
支給額の目安(2026年7月時点)
支給額はコースや取り組みの内容によって細かく分かれています。ここでは代表的な例を紹介します。いずれも2026年7月時点の情報で、金額や要件は年度ごとに見直されるため、最新は必ず厚生労働省の支給申請の手引きでご確認ください。
- 出生時両立支援コース:男性従業員に育児休業を取得させた場合、1人目は20万円。雇用環境整備の措置を4つ以上実施している場合は30万円に増額されます。
- 出生時両立支援コース(男性の育休取得率の上昇等):男性の育休取得率を上昇させるなどの要件を満たすと最大60万円が支給されます(達成までの事業年度数により金額が異なります)。
- 介護離職防止支援コース:2026年度から、有給の介護休暇制度を導入した場合の助成(30万円〜50万円)が新設されました。
- 育休中等業務代替支援コース:育休者の業務を代替する人を新規雇用した場合、代替期間1年以上で最大81万円(プラチナくるみん認定企業は最大99万円)が支給されます。
このほか、育児休業等支援コースの育休取得時・職場復帰時の助成など、コースごとにさまざまな支給メニューがあります。自社の取り組みがどのメニューに当たるかは、支給要領で確認しましょう。
2026年度(令和8年度)の主な変更点
両立支援等助成金は毎年度内容が見直されます。2026年度(令和8年4月〜)の主な変更点は次のとおりです(2026年7月時点)。
- 出生時両立支援コースのうち「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」の対象が、中小企業から常時雇用する労働者300人以下の企業に拡大されました(支給額60万円は据え置き)。
- 育休中等業務代替支援コースで、新規雇用による代替の最大支給額が引き上げられました。
- 介護離職防止支援コースに、有給の介護休暇制度の導入に対する助成が新設されました。
- 柔軟な働き方選択制度等支援コースに、障害のある子や医療的ケアが必要な子を育てる従業員向けに制度の利用期間を延長した場合の加算(20万円)が追加されました。
申請の流れと注意点
コースによって細かな手順は異なりますが、共通する大まかな流れは次のとおりです。多くのコースで「取り組みの前に」制度の整備や計画づくりが必要になる点がポイントです。
- 1. 就業規則などに育児・介護関係の制度を整備する(法律を上回る内容が求められる場合があります)
- 2. 従業員への周知や、面談・プランの作成など、コースごとに定められた取り組みを行う
- 3. 従業員が実際に育休・介護休業などを取得し、復帰する
- 4. 定められた期限内に、都道府県労働局へ支給申請する
注意したいのは、育休の取得後にあわてて制度を整えても対象にならないケースがあることです。また、出勤簿・賃金台帳・就業規則といった労務管理の書類がそろっていることも前提になります。申請期限を過ぎると受け付けてもらえないため、従業員から妊娠や介護の申し出があった時点で、早めに準備を始めるのがおすすめです。判断に迷う部分は、社会保険労務士(社労士)などの専門家に相談すると安心です。
ポイント
本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な解説です。支給額・要件・コースの構成は年度ごとに見直されるため、最新の要件・手続きは必ず厚生労働省など公式サイトでご確認ください。本記事は受給を保証するものではありません。
自社が使える制度をまとめて確認するには
両立支援等助成金のような雇用関係の助成金のほかにも、正社員化を支援するキャリアアップ助成金や、設備投資・販路開拓を支援する補助金など、中小企業が使える制度はたくさんあります。ただ、自社がどの制度の対象になりそうかを一つひとつ調べるのは大変です。
補助金レーダーでは、会社の所在地・業種・従業員数・経営課題を登録すると、自社が対象になりやすい補助金・助成金を一覧で確認できます。判定はルールに基づくスコアリングで、根拠がわかりやすいのが特徴です。「人材・雇用」の課題を選べば、両立支援等助成金のような雇用関係の制度も探しやすくなります。
さらに、気になる制度が見つかったら、無料相談から社労士・行政書士などの専門家の紹介まで進めます。育休や介護の両立支援に取り組みたい方は、まず自社に合う制度の確認から始めてみてください。