【2026年最新】特定求職者雇用開発助成金とは?対象者と支給額をわかりやすく解説
「人手が足りないので採用の幅を広げたいが、教育や定着のコストが心配」という経営者の方は多いのではないでしょうか。特定求職者雇用開発助成金は、高年齢者や障害者など就職が難しいとされる方を雇い入れた会社を国が支援する制度です。この記事では、対象となる労働者・コースごとの支給額の目安・申請の流れをやさしく解説します。
特定求職者雇用開発助成金とは
特定求職者雇用開発助成金とは、厚生労働省が実施している雇用関係の助成金です。高年齢者・障害者・母子家庭の母など、一般的な採用活動では就職が難しいとされる方を、ハローワークなどの紹介で継続的に雇い入れた事業主に対して、国がお金を支給します。
補助金と違って審査で他社と競う仕組みではなく、要件を満たして正しく手続きすれば受給につながりやすいのが特徴です。決まった公募期間は基本的になく、対象となる方を雇い入れれば年間を通じて申請できます。受け取ったお金は返済不要です。
- 実施機関:厚生労働省(窓口は都道府県労働局・ハローワーク)
- 対象:雇用保険の適用事業所である事業主(中小企業・個人事業主も対象)
- 目的:就職が難しい方の雇用機会を増やし、職場への定着を後押しする
- 返済:不要(要件を満たした雇い入れへの支給)
対象者と4つのコース
この助成金は「どんな方を雇い入れるか」によってコースが分かれています。2026年7月時点では、主に次の4つのコースが設けられています(従来あった「成長分野等人材確保・育成コース」は令和7年度限りで終了しています)。
| コース名 | 主な対象者 |
|---|---|
| 特定就職困難者コース | 60歳以上の高年齢者(就労に向けた個別支援を受けている方)、身体・知的・精神障害者、母子家庭の母など |
| 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース | 障害者手帳を持たない発達障害のある方や難病のある方 |
| 中高年層安定雇用支援コース | 35歳以上60歳未満で正規雇用の機会に恵まれなかった方(就職氷河期世代を含む) |
| 生活保護受給者等雇用開発コース | 生活保護受給者や生活困窮者 |
いちばん利用が多いのは「特定就職困難者コース」です。中高年層安定雇用支援コースは、旧「就職氷河期世代安定雇用実現コース」を広げる形で令和7年4月に新設されたコースで、対象者を正社員として雇い入れることが前提になります。
なお、2026年(令和8年)5月1日以降の紹介分から、特定就職困難者コースの高年齢者(60歳以上)は「ハローワーク等で就労に向けた個別支援を受けている方」が対象となる見直しが行われました。60歳以上の方の雇い入れで利用を考えている場合は、紹介を受ける段階で助成金の対象になるかをハローワークに確認しておきましょう。
支給額の目安(中小企業の場合)
支給額は「誰を」「週何時間で」雇い入れるかと、企業の規模によって変わります。2026年7月時点の中小企業向けの支給額の目安は次のとおりです(大企業は減額されます。最新の金額は必ず厚生労働省の公式サイトでご確認ください)。
| 対象者(週30時間以上の雇い入れ) | 支給総額 | 助成の期間 |
|---|---|---|
| 高年齢者(60歳以上)・母子家庭の母など | 60万円(30万円×2期) | 1年 |
| 身体・知的障害者 | 120万円(30万円×4期) | 2年 |
| 重度障害者・45歳以上の障害者・精神障害者 | 240万円(40万円×6期) | 3年 |
| 発達障害・難病のある方 | 120万円(30万円×4期) | 2年 |
| 中高年層安定雇用支援コースの対象者 | 60万円(30万円×2期) | 1年 |
| 生活保護受給者など | 60万円(30万円×2期) | 1年 |
週20時間以上30時間未満の短時間労働者として雇い入れる場合は、たとえば高年齢者や母子家庭の母などで40万円、障害のある方で80万円というように、金額が変わります(2026年7月時点・中小企業の場合)。
助成金は一括ではなく、6か月ごとの「支給対象期」に分けて支払われます。また、各期に実際に支払った賃金額が支給の上限になるため、表の金額がそのまま満額もらえるとは限らない点に注意しましょう。
受給の主な要件と申請の流れ
この助成金でとくに大切なのは、「ハローワークまたは許可を受けた職業紹介事業者などの紹介で」雇い入れることです。求人サイトや知人の紹介など、それ以外の経路で採用した場合は対象になりません。主な要件は次のとおりです。
- ハローワークや許可を受けた民間の職業紹介事業者などの紹介で雇い入れること
- 雇用保険の被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であること
- 対象労働者を雇い入れる前に、事業主の都合による解雇などをしていないこと
- 出勤簿・賃金台帳など、労働時間や賃金を確認できる書類を整備していること
申請の大まかな流れは、「1. ハローワーク等に求人を出す → 2. 紹介を受けて対象者を雇い入れる → 3. 6か月ごとの支給対象期の末日の翌日から2か月以内に、管轄の労働局・ハローワークへ支給申請する」という順番です。支給対象期ごとに毎回申請が必要で、期限を過ぎるとその期の分は受け取れなくなります。
注意したいポイント
特定求職者雇用開発助成金は、要件を満たしていても手続きや雇用管理の不備で不支給になるケースがあります。よくあるつまずきを押さえておきましょう。
- ハローワーク等の紹介を受ける前に、採用を約束・内定していた
- 支給対象期の途中で対象労働者が離職した(その期の分は原則不支給)
- 支給申請の期限(支給対象期の末日の翌日から2か月以内)を過ぎてしまった
- 出勤簿や賃金台帳がそろっておらず、労働時間や賃金を証明できなかった
- 会社都合の解雇があり、要件を満たさなくなっていた
また、制度の内容は年度ごとに見直されます。たとえばコースの新設・終了や要件の追加が行われることがあるため、雇い入れの前に最新の支給要領を確認することが大切です。雇用管理や書類の整備に不安がある場合は、社会保険労務士(社労士)などの専門家に相談しながら進めると安心です。
ポイント
本記事は2026年7月時点の情報に基づく一般的な解説です。支給額や要件・コース構成は年度ごとに見直されるため、最新の要件・手続きは必ず厚生労働省など公式サイトでご確認ください。本記事は受給を保証するものではありません。
自社が使える制度をまとめて確認するには
特定求職者雇用開発助成金のような雇用関係の助成金のほかにも、設備投資や販路開拓を支援する補助金など、中小企業が使える制度はたくさんあります。ただ、自社がどの制度の対象になるのかを一つひとつ調べるのは大変です。
補助金レーダーでは、会社の所在地・業種・従業員数・経営課題を登録すると、自社が対象になりやすい補助金・助成金を一覧で確認できます。判定はルールに基づくスコアリングで、根拠がわかりやすいのが特徴です。「人材・雇用」の課題を選べば、今回のような雇用関係の助成金も探しやすくなります。
さらに、気になる制度が見つかったら、無料相談から社労士・行政書士などの専門家の紹介まで進めます。採用を考えている方は、まず自社に合う制度の確認から始めてみてください。